奥野満里子

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奥野満里子(おくの まりこ、1970年- )は、倫理学者。

横浜市出身。京都大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻(倫理学)単位取得退学。98年「シジウィックと現代功利主義」で文学博士。2000年九州大学文学研究科専任講師、2002年同准教授(医学部医科学修士課程准教授と兼任)、05年退任。中野満里子。2008年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)分子生物学部講師(生物医学倫理)、2009-2015年オハイオ州立大学医学部助教授(哲学科院生指導を兼任)、2015年よりアラバマ大学バーミングハム校(UAB)医学部助教授、2023年より准教授。アラバマ州ゲノム健康計画生命倫理部門長、UABプレシジョン・メディスン研究所生命倫理顧問。Mariko Nakano-Okuno.

著書[編集]

  • 奧野満里子『シジウィックと現代功利主義』勁草書房、1999
  • Mariko Nakano-Okuno, Sidgwick and Contemporary Utilitarianism, Palgrave Macmillan, 2011

共著[編集]

  • 「生命の神聖さと生命の質――概念の説明」『生命倫理学を学ぶ人のために』加藤尚武・加茂直樹編、世界思想社、1997、 129-142頁
  • 「医学・医療から見たQOL」岡本道雄・井村裕夫編『幸福と医学』(シリーズ転換期の医学3)、岩波書店、2004、54-76頁
  • 「セミナー4 現代医療における情報問題――ポスト・ゲノム時代の医療・医科学研究と個人情報保護」水谷雅彦編『情報』岩波応用倫理学講義三、岩波書店、2005
  • 「ヒト胚の研究利用」伊勢田哲治・樫則章編『生命倫理学と功利主義』(叢書倫理学のフロンティア)、ナカニシヤ出版、2006、第三章
  • 「歴史にみる脳神経科学の倫理問題―骨相学、精神外科、そして現代」信原幸弘・原塑編『脳神経倫理学の展望』勁草書房、2008、第三章
  • 「精神外科の過去と現在―「人格改造」はどのような場合に非倫理的となるか」慶應義塾大学医学部医学教育統括センター編『慶應義塾大学医学部生命倫理セミナー』第三巻、2013、1-37頁
  • “Sidgwick and Kant: On the So-called ‘Discrepancies’ between Utilitarian and Kantian Ethics,” in: Bucolo, P., Crisp, R. and Schultz, B. (eds.) Henry Sidgwick: Happiness and Religion, Catania University Press, 2007. 英語・イタリア語対訳
  • Mariko Nakano-Okuno,“Kant and Sidgwick on the Freedom of Will, Morality, and Responsibility,” in: Tyler Paytas and Tim Henning (eds.), Kantian and Sidgwickian Ethics: The Cosmos of Duty Above and the Moral Law Within, New York: Routledge, 2020.

論文[編集]

  • 「パーフィットの功利主義擁護論――人格論からのアプローチ」 京都哲学会編『哲学研究』第564号、1997、81-114頁
  • 「パーフィットの功利主義擁護論 (完)――人格論からのアプローチ」 京都哲学会編『哲学研究』第565号、1998、84-100頁  
  • 「行為と欲求の合理性――R.B.ブラントの論議を手がかりに」 関西倫理学会編『倫理学研究』第28集、1998、110-122頁
  • 「シジウィックの快楽説再考」 関西哲学会編『アルケー』関西哲学会年報No.6(通巻33号)、1998、38-48頁
  • Mariko Nakano-Okuno,“Universalizability, Impartiality and the Expanding Circle,” Etica & Politica, Vol. XVIII, No. 1, 2016, pp.151-167 (ピーター・シンガー、カタジーナ・ラザリ=ラデクの著作をめぐるシンポジウムへの寄稿。他の寄稿者はロジャー・クリスプ、ブラッド・フッカー、デレク・パーフィット。)

翻訳[編集]

  • R. M. ヘア『道徳的に考えること』 内井惣七・山内友三郎監訳, 奥野満里子, 江口聡, 伊勢田哲治, 樫則章訳 (勁草書房) 1994
  • ピーター・シンガー『私たちはどう生きるべきか』山内友三郎監訳, 奥野満里子, 成田和信, 樫則章, 塩出彰, 村上弥生, 長岡成夫訳 (ちくま学芸文庫) 2013
  • R. M. ヘア「妊娠中絶と黄金律」江口聡編・監訳『妊娠中絶の生命倫理—哲学者たちは何を議論したか』、勁草書房 2011