奉天県竇氏二女
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奉天県竇氏二女(ほうてんけんとうしにじょ)は中国の唐代の二人の少女。姉(747年 - 766年)と妹(750年 - 766年)の2人とも、盗賊の慰み者となり自殺した。
生涯[編集]
姉妹は竇氏の娘であり、奉天県のうち邠州と接する地域(現在の甘肃省周辺)に住んでいた。二人は貧しい村に育ったが、幼い頃から正義感が強く、また純潔を守っていた。二人は村でも評判の美少女だった。
766年、姉が19歳、妹が16歳のとき、彼女たちの住む村を盗賊数千人が襲うという事件が起きる。盗賊たちは刃物を用いて村を略奪して回ったが、そのなかで姉妹の容姿が優れているということを知った。盗賊たちは彼女たちを犯すために探しまわった。姉妹は洞窟に隠れていたが、姉は盗賊に発見されて引きずり出されてしまった。すぐに妹も見つかり捕らえられてしまう。姉妹は二人揃って盗賊たちによって凌辱され、処女を奪われてしまった。
盗賊は輪姦された心身ともにぼろぼろとなった少女たちを連行した。彼らは姉妹をその後も慰み者にしようとしていた。一行が深い谷に差し掛かった時、姉が「どうしてこのまま賊から辱めを受け続けることができるでしょうか!」と叫んで身を投げてしまった。盗賊は驚いたが、妹もその隙に谷へ飛び込んだ。谷はとても深く、姉は即死だったが、妹にはまだ息があった。妹の足は折れ顔は傷つき、身体からは血が流れていた。彼女は意識を取り戻したが、盗賊はこれを見捨て放置したため、まもなく死んでしまった。当時の京兆尹(都知事)はこれを哀れみ、二人の姉妹を厚く葬った。
史料[編集]
- 『旧唐書』