大阪府岬町5ヶ月男児虐待死事件

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大阪府岬町5ヶ月男児虐待死事件(おおさかふみさきちょうごかげつだんじぎゃくたいしじけん)は、2008年に大阪府泉南郡岬町の男児が死亡した事件。

概要[編集]

2008年2月16日夜、5か月児の長男が搬送された救急病院で死亡した。警察は事故と事件の両面で捜査を開始。2008年2月26日、父親Aを殺人容疑で逮捕した。父親は「仕事と家庭でたまっていたストレスの矛先を子どもに向けてしまった」と虐待を認めたが、殺意を否認。 2008年3月、検察は2008年2月6日に大阪府岬町の自宅1階の居間で寝ていた長男の頭部を右手で押さえつけて頭蓋骨を骨折させたことにより、「脳ヘルニア」にさせて死亡させたとして殺人罪で起訴した。

裁判経過[編集]

公判では、検察が異例の二度の訴状変更を行った。一度目は2009年11月に死因を「脳ヘルニア」としていた死因を「脳損傷」にした。二度目の変更は2010年1月、長男頭部を右手で押さえつけて頭蓋骨を骨折させたとしていた殺害方法を「何らかの方法により前頭部に強い衝撃を加え」に変更している。これに対して公判において父親Aは「長男を傷つけるようなことはしていない」と主張。弁護側も「暴行しておらず、何らかの外部の原因で長男が死亡した可能性がある」として無罪を訴えた。さらに「検察側が2度の訴因変更をしたのに、十分な反論の機会が与えられていない」と主張した。

2012年11月6日、大阪地裁斎藤正人裁判長)は、求刑通りの懲役15年の有罪判決を言い渡した[1]。判決では、法医学者の鑑定結果などから「長男が意識障害を突然起こして死亡しているのは直前に人為的暴力が加えられた」ためとした。Aと長男が二人きりになる前に長男に意識障害がなかったことや、Aがすぐに救急車を呼ばなかった不自然さから、Aが頭部を圧迫したことによって長男が死亡したと結論づけた。この判決を不服として、弁護側は控訴した。

2014年4月30日、大阪高裁横田信之裁判長)は一審判決を破棄して逆転無罪判決を言い渡した[2]。判決では、一審判決が「直前に人為的暴力が加えられて外傷性脳浮腫で死亡した」と認定したことに疑問を呈し、弁護側の依頼で鑑定した医師の意見書と証人尋問などから「以前から脳浮腫が存在していて、他の原因で意識障害を起こした可能性がある」とした。すぐに救急車を呼ばなかったことについては不自然としたが、事件当日の行動だけで長男を死亡させたとはいえないとした。なお、一審で弁護側の要求した医師の再尋問請求を認めなかった点について「合理的でなく、違法」としている。

大阪高検は、大阪高裁の判決に対して上告を断念[3]。控訴期限の2014年5月14日に無罪判決が確定することとなった。

脚注[編集]

外部リンク[編集]