大阪国税局内部情報漏洩贈収賄事件
大阪国税局内部情報漏洩贈収賄事件(おおさかこくぜいきょくないぶじょうほうろうえいぞうしゅうわいじけん)は、大阪国税局関係者が情報流出を巡って贈収賄罪で逮捕された事件。
概要[編集]
2013年8月28日、大阪市西区の飲食店経営会社会社「M」の税務調査をしていた同僚に虚偽の説明をしていた法人税法違反容疑で大阪国税局西税務署の上席国税調査官Tを逮捕、M社の顧問税理士で大阪国税局OBのHを再逮捕した[1]。MはHが顧問を務めている会社だった。大阪地検特捜部によると、二人の逮捕容疑は、2011年7月にM社代表者に売上金から除外した金額を税務調査をしていた国税調査官に少なく答えさせるように共謀したというもの。
その後、Tは2013年9月18日に脱税指南の法人税法違反罪でHと共に起訴される。Tは税務調査の日程をHに漏らした国家公務員法違反の疑いでも再逮捕され、2013年10月4日にはHに税務調査日程を漏らして現金100万円を受け取った加重収賄容疑で三回目の再逮捕をされる(Hは贈賄容疑で再逮捕)[2]。
T[編集]
最終的に2011年7月にHと共にM社代表に脱税を指南した法人税法違反(虚偽答弁)、Hが顧問を務める会社の税務調査の日程を漏らした国家公務員法違反(守秘義務)、前二つの事件の見返りとして2011年9月10日頃に現金120万円を受け取った加重収賄の3つの罪で起訴された。Tは録音・録画を一部実施した可視化の捜査段階で起訴内容を認めていたが、否認に転じた[3]。
H[編集]
Hは別件となる2013年3月5日には記帳代行業のNと会社役員のOのと共謀して法人所得約1億円を隠して法人税約3100万円を免れたとされる事件などでも起訴されている。
裁判経過[編集]
Tの裁判[編集]
初公判で検察側は2011年9月10日頃にHが顧問を務める企業に税務調査日程を漏らして現金120万円を受け取ったとした。さらにTはHの事務所を訪ねて飲食をし、顧問先の情報を伝えることで一回当たり数万円を受け取っていたと主張[4]。弁護側は、現金授受が行われたとされる日には来客が多く、「現金の受け渡しは不自然」として無罪を主張した[5]。Hからは金を借りたことがあるだけで、それも検察側が指摘している時期とは異なるとした。