埼玉県熊谷市佐谷田荒川河川敷強盗殺人事件
埼玉県熊谷市佐谷田荒川河川敷強盗殺人事件(さいたまけんくまがやしさやだあらかわかせんしきごうとうさつじんじけん)は、2013年12月に男性が殺害された事件。
概要[編集]
2013年12月31日午前9時45分ごろに埼玉県熊谷市佐谷田荒川左岸河川敷にて、Kが血を流して倒れてるのが発見された。Kの車は遺体から数十メートル離れたところで発見。財布や携帯電話は残されていた。Kは12月30日の午後4時ごろ、妻に「知人に会いに行く」と言って自宅から車で外出していた。
2014年2月27日、強盗殺人と銃刀法違反の疑いでブラジル国籍の日系3世のNが逮捕された[1]。NはKと事件当日に電話で話して会ったことは認めたが、容疑は否認。しかし、2013年12月30日午後6時ごろに熊谷市佐谷田の荒川左岸河川敷にてペティナイフでKの首付近を数回刺して殺害し、借金の返済を免れようとしたとして、銃刀法違反と強盗殺人として起訴された。
裁判経過[編集]
2015年6月8日の初公判で、Nは犯行を否認[2]。
検察側は、NはKに約300万円の借金があり、殺害動機があったと指摘。防犯ビデオの映像にNらしき人物が映っており、NがKの車で犯行現場に同行した可能性が高いとした[3]。現場に捨てられていたペティナイフが「Nの内妻の実家にあり、N方でも使われていたもの」と主張した。NはKが死亡する時刻まで行動を共にしており、Kが第三者と会った形跡はないとして、Nが犯人であるとした。
弁護側は、被告の借金は約30万円にとどまっており、返済の猶予もとりつけていたと主張。事件当日のNは「Kと自宅付近で会ったがすぐ別れて、散歩に出掛けて、放置自転車で熊谷までサイクリングをしていた」とした[4]。Kは高利貸業をしており、N以外の別の人物とトラブルになって犯行現場に呼び出された可能性があると主張した。
2015年8月6日、さいたま地裁(多和田隆史裁判長)は求刑通り無期懲役を言い渡した[5]。判決を不服として弁護側は即日控訴した。判決では、防犯カメラの画像や凶器の鑑定結果などから、Nが被害者の車で現場近くまで同行してペティナイフを使用したと結論。「Nの家から第三者が凶器を持ち出してNと無関係に被害者を殺害することは考えられないとして弁護側の主張を退けている。