四季崎記紀の完成形変体刀十二本
四季崎記紀の完成形変態刀十二本(しきざきききのかんせいけいへんたいとうじゅうにほん)は、ライトノベル『刀語』に登場する刀。
概要[編集]
戦国時代に存在した伝説の刀鍛冶四季崎記紀は、生涯で1000本もの刀を作った。その全ての刀は「変体刀」と呼ばれ、すさまじい力を持ち、一本でも価値がある代物であった。[1]
その中でも特に性能が高く、異端の中の異端に値する物を「完成形変体刀」と呼び、これは12本存在する。それ以外の残りの刀988本は、全てこれらの刀のための習作と言える。
この十二本全てに何かしらの特異的な機能を持っており、またそれらの刀の性能や形状は芸術的と言われ、一本で国1つが買えるとも言われている。
それぞれの刀には「限定奥義」が存在する。ただしこれはただこれらの刀を与えられただけでは発揮せず、選ばれた者にしか真価を発揮する事ができないのである。
完成形変体刀の名称には、全て「金偏」が付いている。
刀語は、鑢七花ととがめがこれらの刀の所有者を探し、その刀を収集するというのが主な話である。
なおどう見ても刀じゃないのが複数ある。その理由は後述で。
完成形変体刀一覧[編集]
- なお炎刀『銃』以外は所有者から回収された後に、家鳴将軍家側用人十一人衆の手に渡っている。なお本ページではそれらの人物を所有者とはカウントしない。
絶刀・『鉋』(ぜっとう・かんな)[編集]
「世界の何よりも固き、折れず曲がらぬ絶対の刀」
ようはとても頑丈な刀である。どんな扱いをしても永久に折れも曲がりも刃こぼれもしない刀である。鞘のない片刃の直刀の見た目をしている。
所有者は真庭蝙蝠。ちなみに、とがめに収集を依頼されて真庭忍軍が手に入れた物であるが、金に目がくらんだのか、変体刀の毒にかかったのかそのまま裏切って、パクられてしまった。
斬刀・『鈍』(ざんとう・なまくら)[編集]
「ありとあらゆる存在を一刀両断にできる、鋭利な刀」
要は斬鉄剣のような物である。見た目は普通の日本刀。
所有者は宇練銀閣。
千刀・『鎩』 (せんとう・つるぎ)[編集]
「いくらでも替えが利く、恐るべき消耗品としての刀」
「千本で一本」と称されている通り、同形状同性能の刀が千本存在する。その中に一本オリジナルがあり、それが残っていれば量産が可能である。[2]
要は消耗品としての刀に特化している刀である。
見た目は普通の日本刀である。
所有者は敦賀迷彩。
なお、「鎩」は特殊文字である。
薄刀・『針』(はくとう・はり)[編集]
「羽毛のように軽く、硝子細工のように脆い、美しき刀」
陽が見えるくらいにとても薄く、羽毛のように軽い刀。そして脆い。
極めて扱いが難しい変体刀であり、完全な軌跡で振る技術がないとそれだけで砕けてしまう。よくそんなんで今まで残ってたな。
所有者は錆白兵。ちなみに彼もとがめに依頼されて変体刀の収集に取り掛かっていたが、この変体刀を入手した後、刀の毒に犯されたのか、そのまま裏切って失踪してしまった。
賊刀・『鎧』(ぞくとう・よろい)[編集]
「守りに重きを置いた、巨大な防御力を有する、甲冑を模した刀」
防御力に特化した刀で、見た目はまんま西洋甲冑である。刀ってなんだっけ? あらゆる衝撃を地面に受け流す事ができるので、地面に付いている間あらゆる衝撃に対して無敵になる。
なお内側からしか開けられないので、鎧を着たまま所有者が死亡すると、そのまま使用不能になる。
所有者は校倉必。
双刀・『鎚』(そうとう・かなづち)[編集]
「すさまじい質量のかたまりであり、持ち上げることさえ満足に敵わない刀」
とても重い刀であり、七花すら持ち上げる事ができなかった。
上下左右すら曖昧な刀であり、そのためどの方向でも攻撃する事が可能である。デカい磨製石器のような見た目をしている。
所有者は凍空こなゆき。ちなみに上記の刀の特性上、凍空一族にしかこの刀は扱えない。
悪刀・『鐚』(あくとう・びた)[編集]
「所有者の死さえ許さず、無理矢理に人を生かし続ける凶悪な刀」
所有者の身体[3]に直接刺す事により、身体を活性化する事ができる刀。同時に不死化する事もできる。 見た目は刀というよりは苦無に近い。
所有者は鑢七実。元々陸奥の死霊山に所蔵されていた物であるが、七実がそれを奪った。
微刀・『釵』(びとう・かんざし)[編集]
「武器でありながら人である、恋する殺人人形とも言える刀」
所有者は日和号。というかこいつ自体が微刀・『釵』である。
全身に刃物を持った人形のような刀である。ちなみに舞台の時代から考えるとあまりにもオーパーツなソーラー発電で動いている。
王刀・『鋸』(おうとう・のこぎり)[編集]
「人を正し、心を正す、精神的王道を歩ます、教導的な解毒の刀」
他の変体刀とは違い、所有者が毒に犯されるのではなく、毒気を抜いてしまう刀である。
見た目はただの木刀である。
所有者は汽口慚愧。
誠刀・『銓』(せいとう・はかり)[編集]
「人間の姿勢を天秤にかけるように、人によって受け取り方さえ違う曖昧な刀」
鞘と柄しかない刀。刃身もない刀。哲学過ぎて良く分からないのでこれ以上の説明は省略する。
所有者は彼我木輪廻。彼曰く四季崎記紀本人から直接もらったそうだが、「面倒だから」という理由で地中に埋めたそうだ。その後、その刀を埋めた地には城が建ってしまった。
毒刀・『鍍』(どくとう・めっき)[編集]
「所有すると人が斬りたくなる、刀の毒がもっとも強く内包された刀」
持つと人が斬えいたくなると言う通り、刀の毒が特に強く入っている刀である。
所有者は真庭鳳凰。ちなみに富士の樹海の洞窟で刺さっているのを見つけ。そのまま入手した経緯がある。
炎刀・『銃』(えんとう・じゅう)[編集]
「遠距離からの連続精密攻撃を可能にした、飛び道具としての刀」
要はただの二丁拳銃である。もはや刀ですらない。
所有者は左右田右衛門左衛門。
真実[編集]
以下にはネタバレが含まれています。
実は四季崎記紀の家系は、代々刀鍛治の家系ではなく、占星術の家系である。
そのため、彼は未来予知ができた。完成形変体刀だけではなく、変体刀千本全てがこの未来予知で得たテクノロジーをこの時代で再現したものである。完成形変体刀の中にどう見ても刀じゃないのが混ざっていたり、時代的にオーパーツな機能が備わっているのはおそらくこれが関わっていると考えられる。
そして、彼の最終的な目的は「完了形変体刀」の作成であり、それが虚刀・『鑢』つまり虚刀流の事である。
また、この過程の失敗作として全刀・『錆』がある。