原動機付自転車
原動機付自転車(げんどうきつきじてんしゃ)とは、日本におけるオートバイの一種である。2023年の法改正により、従来の原動機付自転車は「一般原動機付自転車」とされ、新たに「特定小型原動機付自転車」という区分が新設された。なお、本稿では特に断りがない限り一般原動機付自転車について述べるものである。
概要[編集]
道路運送車両法により、排気量50cc未満の第一種原動機付自転車と50cc~125cc未満の第二種原動機付自転車に分類される自動車である。略して「原付」と呼ぶ場合もある。単に「原付」と呼んだ場合は前述の原付一種を指すことが多く、後者は原付2種とか小型自動二輪(免許区分)と呼ばれたりする。ミニバイクと呼ばれたりもする。
第一種原動機付自転車は排気量50cc未満か定格出力が0.6kW未満という制限があり、法定最高速度も30km/hとなっている。なお、業界の自主規制として60km/hや80km/hでリミッターがかかる車種が多い。また、三車線以上の交差点の右折時には特段の定めがない限り二段階右折が必要になるなど、運転上の制限も多い。一方でコミューターとしてモペッドから長らく市民生活を支えていた重要な存在でもあり、数多くの原動機付自転車が利用されてきたものである。第一種原動機付自転車は道路交通法施行令により乗車定員は1名だけと定められている。
第二種原動機付自転車は排気量50cc以上125cc未満か0.6kW~1kW未満となっている。第一種原付ほど制限が厳しくなく、高速道路の利用ができない以外はほとんど125cc以上の自動二輪と同様に利用できる。そのため、条件を満たせば二人乗りも可能である。また、一種原付と同様に自動車保険の付帯として保険を掛けることもでき、使いやすさと維持費の安さから人気があるクラスである。
免許[編集]
第一種原付は原動機付自転車免許を取得することで運転が可能になるほか、普通自動車運転免許(自動二輪含む)で運転が可能となっており、それらの所有者であれば別途免許を取得する必要がない。一方、フルビット免許を目指すうえでは原動機付自転車免許からの取得が必要である。 第二種原付は小型限定普通二輪免許以上の二輪自動車免許の取得が必要となっており、普通自動車運転免許のみで運転することはできない。
なお、原動機付自転車免許も普通二輪免許も受けられる年齢は16歳以上から可能である。原付免許試験問題は、試験1回ごとに全48問、本文1問1点の正誤式2択が46問、危険予測問題2問となっている。
その他[編集]
原動機付自転車の後ろにリヤカーをけん引させれば、タイヤの数は補助輪になるので、横転しにくくなり、停止しても安定性を失うことはない。しかし、リアカーをけん引する場合は最高速度が25km/hとなり、さらに一部地域では条例で原動機付自転車での牽引は禁止されていることもある(神奈川県や東京都の一部地域など)など、法的な制限が大きくなる。
三輪の原動機付自転車もあり、一種原付としてはホンダ・ジャイロやホンダ・ジョイなどがホンダより「スリーター」として販売されていた。また、二種原付としてはヤマハ・トリシティ125などが挙げられる(こちらはヤマハがLMW(リーニング・マルチ・ホイール)と呼称している)。
四輪車のミニカー (車両)も道路運送車両法では原動機付自転車に分類され、かつては原付免許で乗れたが、現在は普通自動車免許でないと乗れない。