この項目では2006年プロ野球オールスターゲームにおける、藤川球児の予告ストレートについて解説する。
2006年のオールスターはプロ野球史上初めてオールスターゲームの監督を外国人監督(ボビー・バレンタイン)が指揮した[注 1]。また、SHINJO、清原和博、古田敦也が現役最後のオールスター出場であり、森本稀哲がピッコロ大魔王の姿で登場。特別協賛してきた三洋電機が2006年限りで撤退する為に、最後の「サンヨー」の名称がつく試合と、色々な意味で特別感が漂っていた。
第1戦[編集]
チーム |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
パ・リーグ
| 0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
6 |
0 |
セ・リーグ
| 0 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
X |
3 |
9 |
1 |
パシフィック |
打順 | 守備 | 選手
|
---|
1 | [遊] | 川﨑宗則 |
2 | [左] | 谷佳知 |
3 | [中] | SHINJO |
4 | [指] | 清原和博 |
5 | [一] | 小笠原道大 |
6 | [捕] | 里崎智也 |
7 | [三] | 今江敏晃 |
8 | [右] | 柴原洋 |
9 | [二] | 本間満 |
| [投] | 松坂大輔 |
|
セントラル |
打順 | 守備 | 選手
|
---|
1 | [右] | 青木宣親 |
2 | [中] | 赤星憲広 |
3 | [三] | 岩村明憲 |
4 | [左] | 金本知憲 |
5 | [一] | 李承燁 |
6 | [指] | 村田修一 |
7 | [遊] | 鳥谷敬 |
8 | [捕] | 矢野輝弘 |
9 | [二] | 藤本敦士 |
| [投] | 川上憲伸 |
|
9回のマウンドに登板した藤川は、パ・リーグの3塁側ベンチに向かって一礼した後、先頭バッターのカブレラにストレートの握りの状態から、人差し指をカブレラに向け軽く一礼した。バッターのカブレラも一瞬戸惑った表情を見せるが、キャッチャーの矢野に確認し、藤川はもう一度カブレラに一礼した。しかし、カブレラは再度矢野に確認し、ストレート勝負を理解すると、言葉を藤川に向けて発し、笑顔を見せた。藤川も再度一礼し、ストレート勝負であることをジェスチャーで伝えて笑顔を見せた。
投球 |
カウント |
投球 |
結果 |
内容
|
1球目 |
S○○
B●○○
O○○
| 0ストライク-1ボール 0アウト |
|
|
内角ストレート(153km/h) |
ボール |
清原が三塁コーチボックスから中腰で見つめる。カブレラは腰を引いて避けるような仕草を見せた。
|
2球目 |
S●○
B●○○
O○○
| 1ストライク-1ボール 0アウト |
|
|
外角ストレート(153km/h) |
ストライク |
直球勝負にカブレラもフルスイングで応える。空振り。
|
3球目 |
S●●
B●○○
O○○
| 2ストライク-1ボール 0アウト |
|
|
真ん中高めストレート(151km/h) |
ストライク |
カブレラが投球直前に間を嫌う。空振り。
|
4球目 |
S○○
B○○○
O●○
| 0ストライク-0ボール 1アウト |
|
|
内角高めストレート(153km/h) |
空振り三振 |
カブレラは一度藤川を見た後、項垂れてベンチへ帰り、清原は驚いた表情を見せる。空振り三振。
|
5球目 |
S●○
B○○○
O●○
| 1ストライク-0ボール 1アウト |
|
|
真ん中低めストレート(151km/h) |
ストライク |
小笠原もフルスイング。空振り。
|
6球目 |
S●●
B○○○
O●○
| 2ストライク-0ボール 1アウト |
|
|
外角ストレート(152km/h) |
ファウル |
小笠原のバットに掠るファウル。
|
7球目 |
S●●
B○○○
O●○
| 2ストライク-0ボール 1アウト |
|
|
真ん中高めストレート |
ファウル |
ボール球をファウル。
|
8球目 |
S●●
B●○○
O●○
| 2ストライク-1ボール 1アウト |
|
|
真ん中高めストレート(151km/h) |
ストライク |
高めに大きく外れるボール。
|
9球目 |
S●●
B●○○
O●○
| 2ストライク-1ボール 1アウト |
|
|
真ん中ストレート |
ファウル |
ファウル。
|
10球目 |
S○○
B○○○
O●●
| 0ストライク-0ボール 2アウト |
|
|
外角ストレート(152km/h) |
空振り三振 |
地面に倒れかけるフルスイングも空振り三振。
|
特に最後のバッターの小笠原はこの試合6回から解説をしている高木豊が「ガッツが笑顔でプレーするのを久しぶりに見た」というほど藤川との勝負を楽しんでいたと言われている[注 2]。小笠原は笑顔でベンチに帰り、藤川も笑顔で深く一礼した。藤川は2/3回を投げて交代し、藤川の後をクルーンが締めた。
- ↑ 出身地が海外で日本プロ野球に於いて出場経験のある選手に限れば1975年の与那嶺要。
- ↑ この試合は前半、後半に分かれて解説をしていた。