中村モデル
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中村モデル は、日本の経済学者である中村寿徳が、2020年からの日本の新型コロナウイルス感染症対策に影響を与えたいわゆる「西浦モデル」の問題点を指摘して、独自に提唱したモデル。
概要[編集]
中村氏は、西浦氏自身のTwitterアカウントで公開された西浦氏自身による解説[1] 及び 『数学セミナー』誌[2]に掲載された小林鉄郎氏と西浦博氏の記事「感染症数理モデル入門SIRコンパートメントモデルと基本再生産数」、稲葉寿氏の記事「集団免疫論を超えて」といった文献を基礎に、SIRモデルを外出自粛に適用する場合、外出自粛による感受性保持者の市中人口の減少だけでなく、感染者の計算に含めるべき感染期間も考慮に加えるべきであるとして、「西浦氏がワクチン接種などの集団免疫の影響とは違って感染者と非感染者に一律に適用される外出自粛などの行動制限が、感染が発生する可能性がある一定期間の接触頻度だけでなく、計算に含めるべき有効な感染期間をも縮小させてしまう点を見落としてしまった可能性は否定できません」[3]と指摘した[4]。
中村氏は、前出の稲葉寿氏の論文を基礎に、SIRモデルから得られる式を変形し、
Re = (1 – p)2 R0
Re: 予想実効再生産数, p: 外出削減の割合, R0: 基本再生産数,
という式を得て、SIRモデルを使わない接触頻度の計算から同じ式を導出し、枠の中に感染者と感受性保持者に見立てた文字を入れた2期間モデルでの接触を図上で数えるという実験によって、これを証明した。
脚注[編集]
- ↑ https://twitter.com/ClusterJapan/status/1247463049662889985
- ↑ 2020年9月号(日本評論社、2020年8月12日)
- ↑ 『役に立つ経済学 コロノマキアー』p.39
- ↑ 中村寿徳著、日本トーマス・シェリング経済学協会、2024年7月24日発行 ISBN-13. 979-8332670718