第2回エンペディア大賞」が2月いっぱい開催中です。2024年に作成された記事の中から、お気に入りの記事に投票しましょう!

ムシガレイ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動


ムシガレイ(虫鰈, Eopsetta grigorjewi, : shotted halibut, roundnose flounder, : plie japonaise)は、カレイ目カレイ科カレイ亜科ムシガレイ属の硬骨魚。日本国内では日本海・東シナ海・噴火湾以南の太平洋に分布。このほかに黄海・渤海にも生息[1]

形態[編集]

オスは体長30センチ、メスは40センチ[注釈 1]。口は大きく、歯は鋭い[3]

有眼側の表面は淡い暗褐色で、大小の淡褐色の丸い斑紋が散在する。それらの内部は色が薄くなるが、さらに小さな褐色の斑点がある[4]。特に、側線を挟んで3対の大きな斑紋があるのが特徴である。なお、これらの斑紋のあり方が虫食い模様のようだから虫鰈と呼ぶ[3]

背鰭81から94軟条。臀鰭61から78軟条。胸鰭10から14軟条。腹鰭6軟条。側線鱗86から92枚[1]

生態[編集]

若魚は50メートル前後、成魚は200メートル以浅の砂泥底に生息[2]。エビ・アミ・カニを餌とする[3]

産卵期は1月から6月。産卵期には70から80メートルの浅場に群集するため、三陸では初夏に釣りの対象となる[2]

人との関わり[編集]

食用。底引き網・底刺し網・底はえ縄で漁獲する。漁獲量は日本海側で多い[3]

肉には水分が多く、地方によってはミズガレイと呼ぶが、干物は美味。大きなものは煮付け・刺身にもする[2]。旬は冬。から揚げやムニエルとしても利用される[5]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 大きいもので50センチ[2]

出典[編集]

  1. a b 日本産魚類検索 1993, p. 1178.
  2. a b c d 図説魚と貝の大事典 1997, p. 400-401.
  3. a b c d 魚の事典 1989, p. 406.
  4. 蒲原稔治 『標準原色図鑑全集第4巻 魚』 保育社、1977年2月10日、18刷、112頁。ISBN 4586320044
  5. 『魚Ⅱ』 河野友美、真珠書院〈新食品事典4〉、1991年7月20日、463頁。ISBN 4-88009-104-9

参考文献[編集]

  • 『日本産魚類検索―全種の同定―』 中坊徹次、東海大学出版会、1993年10月12日、初版第1刷。ISBN 4-486-01250-X
  • 『魚の事典』 能勢幸雄, 羽生功, 岩井保, 清水誠、東京堂出版、1989年1月30日、初版。ISBN 4-490-10245-3
  • 『図説魚と貝の大事典』 魚類文化研究会, 雅麗、望月賢二(監修)、柏書房、1997年5月20日、第1刷。ISBN 4-7601-1442-4