ミニマリスト

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ミニマリストとは、最小限の物だけを持って生活するライフスタイルを実践する者のことである。

概要[編集]

最小限のものだけで生活するライフスタイルを実践する者のことであるが、ミニマムの定義は各人ごとで異なり、決まった形が決まっている訳でもない。

しかし、ある程度複数にパターン化されており、それに属するライフスタイルがミニマリズムと言われる。

日本においては、断捨離ブームの後に佐々木典士による著作「ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -」で広まり、一般層に浸透したと言える。

シンプリスト[編集]

一般的なミニマリストと言われるのがシンプルライフというライフスタイルをとるミニマリストがこれに該当する。

食器や家庭用品等は無印良品等のシンプルなデザインで揃えることが多く、服も無印良品やユニクロ等のシンプルなデザインで統一することが多い。

服に関しては、同じ服を複数枚購入し着まわすというスタイルをとり、私服の制服化と言われる。

シンプリストは、主婦層等にも広く浸透しており、家計のやり繰りとあわせてミニマリストとして生活することがあり、インスタグラムに投稿する者も多い。

シンプリストとカテゴライズする人物では、「少ない物ですっきり暮らす」の著者であるやましたせいこが代表される。

ブロガー・ノマド系ミニマリスト[編集]

ブロガーやノマド等、自営業者系のミニマリストがこれに該当する。

アップル製品のガジェットを特に好み、MacBookを持ち歩くことからコートエシエルのIsarといった、合理性の高いパソコンリュックを愛用することが多い。

服装はシンプリストと同様に私服の制服化を心がけることが多いが、シンプリストと比較すると、質の良いものを少なく所有するところに重点を置くことが多い。

自営業者故に、最低限の出費に抑えるという名目でミニマリズムを追求することが多いが、必要なものにはお金を惜しまないという姿勢も見られる。

ブロガー・ノマド系ミニマリストとカテゴライズする人物では、Minimalistの代表であるミニマリストしぶが代表される。

アウトドア系ミニマリスト[編集]

費用対効果という観点からアウトドア系のグッズが所有物の多くを占めており、旅行や外出が多い等アクティビティの高いミニマリストがこれに該当する。

リュックもグレゴリーに代表されるような耐久性の高いアウトドアグッズで、その中に生活に必要なものを全て入れることで最小限の物で生活するというスタイルを取る。

プロギャンブラーののぶきはミニマリストという言葉が流行する前から、ミニマリスト的な生活を送っており、財布も携帯電話も持たず、グレゴリーのリュックに必要なものを全て詰め込むといったアウトドア系ミニマリストに近い生活を送ってきていた。

極限の人[編集]

捨てることや無駄を徹底的に排除することに意味を見出しており、一般的な価値観では明らかに物がないような環境で生きるミニマリストを「極限の人」と呼ぶことがある。

「わたしのウチには、なんにもない。」の著者であり自らを捨て変態と呼ぶゆるりまいのように、自分の思い出の品まで捨てるといった人物も挙げられるが、それよりも更に先鋭化した場合では、漫画家の中崎タツヤのように「シャツの襟を切り取り、ブランドのロゴは塗りつぶす」といった徹底して余計な物を排除するスタイルを取るミニマリストもいる。

目的[編集]

ミニマリストを志す目的としては以下のものが挙げられる。

出費の抑制[編集]

余計な物を購入しない等、出費を抑制するためにミニマリストを志すケースがあり、抑制した分の出費を趣味や家計、貯蓄に回すことを目的とする。

家事の軽減[編集]

必要最小限の所有物にすることにより、洗濯、掃除等の家事の軽減を目的とする。

発達障害等当事者の問題の解消[編集]

発達障害等当事者は、落とし物や忘れ物等のケアレスミスに悩まされることが非常に多く、その問題の解消を目的とする。

その他[編集]

生活の見栄えよよくしたい、物が少ない方が快適等、各人の趣味嗜好によりミニマリストを志すこともある。

代表的なミニマリスト[編集]

芸術分野におけるミニマリズムとミニマリスト[編集]

美術建築音楽などの分野で、形態や色彩を最小限度まで突き詰めようとした一連の態度を最小限主義、ミニマリズム({minimalism)という(ミニマリスムとも表記される)。1960年代のアメリカに登場し主流を占めた傾向、またその創作理論であり、最小限(minimal)主義(ism)から誕生し、必要最小限を目指す手法である。装飾的な要素を最小限に切り詰め、シンプルなフォルムを特徴としている。また、ミニマリズムを行う者を「ミニマリスト」と呼ぶ。音楽の分野はミニマル・ミュージック建築の分野は、ミニマル・アーキテクチュア美術の分野はミニマル・アートと呼ばれる。また、フランス現象学哲学者であるモーリス・メルロー=ポンティは、「ミニマリズムの哲学者」と呼ばれる。

人間の視覚はスタイルで表現される以上に、多くのことを「見る」ことができるとされる。色の相関状を見分けるだけでなく、存在していることと不在であることを図と地のゲシュタルトよりも圧倒的な豊かさとともに感じ取ることができる。その意味では、リチャード・セラの巨大な鉄塊は、そのヴォリューム故に存在と質量に関して最も豊かに語る、あるいは配置される緑ひとつが、「楽園」の新しい視質を提示している。しかし同時にその視覚性故にスタイルという概念は、強く作用してきたことも確かである。そのため、主題を持たず純粋に対象の視覚的表現のみを扱うことがミニマリズムの特徴であったが、単純な幾何学や手数の少なさが生む強烈なヴィジュアル故に、今日でもミニマルな構成とミニマリズムの美学とはしばしば混同して取り沙汰されてもいる。