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マルチモード4WD
マルチモード4WDとは、パートタイム4WDとフルタイム4WDを併せ持った仕組みで、FRがベースになっており、FRの2WDとフルタイム4WDを切り換える、センターデフ付きのパートタイム4WDで、変速を設定して駆動力を高める副変速機を採用したものである。「トルセンLSD付トランスファー+ADD付きマルチモード4WD」ともいう。スーパーセレクト4WD-IIと同じような方式である。4WD系コントロール操作性は、トランスファーは、「H2(FR)」,「H4(ハイレンジフルタイム4WD)」,「PUSH」,「L4(ローレンジ4WD)」のポジションを持つ。4WDは、「ハイ」と「ロー」の2段ギアを持つ副変速機付きになっている。トランスファーの隣には、センターデフの解除⇔ロック状態に切り替え用のためのセンターデフロックスイッチが付いている。マルチモード設定とセンターデフロックスイッチの組み合わせ操作によって、前述のパターンにセンターデフロックが加わり、「H2(FR)」、「H4(ハイレンジフルタイム4WD)」、「H4L(ハイレンジ直結4WD)」、「L4(センターデフ解除のローレンジ4WD、センターデフフリーのローレンジ4WD)」、「L4L(ローレンジ直結4WD)」の5種類の走行モードの設定が選択できる。4WD系コントロール操作性は、「トランスファー設定」と「センターデフロックオンオフ切り替え設定」が別々に分かれており、4WD系コントロール操作と各走行モードが複雑な構造になっており、路面状況に応じた走行モードに対応する。オンロードは2WD(2H)と4WD(4H)両方とも使用可能で、快適に走れるので、4H(4WD)でもタイトコーナーブレーキ現象は起きることなく、オフロードのみならず、オンロードでも常に高い走行性能を発揮できる。走行中でも、時速100km/h未満なら2WD(H2)とフルタイム4WD(H4)の切り替えをセレクトレバーで行える。
トランスファーを「L4」に切り替えるときは、停車状態にしてから行う。
車種は、トヨタ・ハイラックスサーフに使用されている。
「L4」「L4L」のときの最高速度・速度範囲は、時速?km/h以内(以下)であるかは非公開(?)。
マルチモード4WDの駆動モードの名称を、他のメーカー、三菱自動車のスーパーセレクト4WD-IIで表記した場合、「H2」は「2H」、「H4」は「4H」、「H4L」は「4HLc」、「L4」はスーパーセレクト4WD-IIには未対応、「L4L」は「4LLc」となる。スーパーセレクト4WD-IIの違いは、「センターデフ解除のローレンジ4WD、ローレンジ4WDセンターデフフリー」の有無の違いであり、マルチモード4WDには、駆動モードが「センターデフ解除のローレンジ4WD、ローレンジ4WDセンターデフフリー」の1つ多く、4WD操作と各走行モードが複雑な構造になっている。
「センターデフフリー」は、トルセンLSD効果を発揮する駆動モードのことである。
- スーパーセレクト4WD-IIとの違い
駆動モードの名称\4WDタイプ | マルチモード4WD(トヨタ表記) | スーパーセレクト4WD-II(三菱表記) |
---|---|---|
フロントエンジンの後輪駆動(FR) | H2 | 2H |
ハイレンジ4WDセンターデフフリー、FRベースのフルタイム4WD | H4 | 4H |
ハイレンジ4WDセンターデフロック | H4L | 4HLc |
ローレンジ4WDセンターデフフリー | L4 | 未対応 |
ローレンジ4WDセンターデフロック | L4L | 4LLc |
- 操作方法
レバー位置、駆動モードの名称\4WD系コントロール | トランスファー | センターデフロックオンオフ切り替えスイッチ |
---|---|---|
H2 | H2 | オフ |
H4 | H4 | オフ |
H4L | H4 | オン |
L4 | L4 | オフ |
L4L | L4 | オン |
- ハイラックスサーフのマルチモード4WDの走行モード、駆動モード表とその特徴
レバー位置 | 駆動モードの名称 | タイヤの回転数のトルク配分 | 路面状況、意味、走行時の特徴 |
---|---|---|---|
H2 | フロントエンジンの後輪駆動(FR) | 前輪0%:後輪100% | 「マルチモードダイヤルスイッチ:H2」+「センターデフロックスイッチ:オフ」。一般道路、高速道路のオンロード、乾いたオンロードのグリップ力が強く、常時走行、通常走行であり、軽快なハンドリング、燃費の低コストに適した走行、経済走行を実現する。前輪へのトルク配分が0%。「ハイレンジ2WD」ともいうが、「ハイレンジ2WD」の表記は、あまり使われない。 |
H4 | ハイレンジ4WDセンターデフフリー、FRベースのフルタイム4WD | 前輪40%:後輪60% | 「マルチモードダイヤルスイッチ:H4」+「センターデフロックスイッチ:オフ」。FRベースのフルタイム4WD。トルセンLSD効果を発揮するハイレンジ4WD。オンロードでの常時4WD走行可能なモードで、4WDモード切り替えスイッチの基本位置、通常の位置であり、あらゆる速度領域に対応し、一般道路、高速道路のオンロードの他、砂利道、ダート道、石畳、低い段差といった穏やかな凸凹道のオフロード、平坦なオフロードを含む路面、雪道、滑りやすいオンロードといった、あらゆる路面状況、幅広い路面に共通する走行モードで、常時走行、通常走行である。フルタイム4WDにより、センターデフが作動し、前後輪の回転差の不等トルク配分を行い、運転中・走行中に前後輪の回転差を吸収し、ハンドリング性能が向上し、タイトコーナーブレーキ現象は起きることなく、4WDでもオンロードで常に高い走行性能を発揮する。 |
H4L | ハイレンジ4WDセンターデフロック、ハイレンジ直結4WD | 前輪50%:後輪50% | 「マルチモードダイヤルスイッチ:H4」+「センターデフロックスイッチ:オン」。比較的激しい凸凹道、起伏路、急勾配、オフロードの急坂、ヒルクライミング、ぬかるみ、傾斜地、砂地、丸太道、林道(林間)、砂利道、石畳、ロックセクション、雪道、階段、オフロードの溝、モーグル路、ダート路といったオフロード全般を走行するモードで、起伏路で前後輪のどれかが接地せずに空転したときなどに使われ、大きな駆動力と大きなエンジントルクを持ち、これらの凸凹道のオフロードでフラット感のある安定した走りを実現し、オフロードグリップ及びオフロード走破性を向上させる。センターデフをロックしたハイレンジ直結4WD。センターデフロックにより、前後輪が直結され、直結4WDとなり、タイヤの回転数のトルク配分は、前輪50%:後輪50%固定のトルク配分で、タイヤの回転数が均等になり、前後輪の回転差動が停止され、駆動力を全てのタイヤに伝え、全てのタイヤが凸凹道の路面をしっかり捉え、力強い4WD走行となる。 |
L4 | ローレンジ4WDセンターデフフリー | 前輪40%:後輪60% | 「マルチモードダイヤルスイッチ:L4」+「センターデフロックスイッチ:オフ」。トルセンLSD効果を発揮するローレンジ4WD。マルチモード4WDのみ存在する。センターデフフリーの状態で、トランスファーの変速比をローレンジにすることにより、エンジンブレーキの効果と大きな駆動力と減速比を確保する。フルタイム4WD時のエンジンブレーキの代わりになるもので、エンジンブレーキの効果を加えたフルタイム4WDをマルチモード4WDのみで再現したもので、各走行モードが複雑な構造となる。使い道は、主にオンロードの下り坂に使用され、それ以外は、使い道はあまり無い。「L4」モードは、あまり使われない。 |
L4L | ローレンジ4WDセンターデフロック、ローレンジ直結4WD | 前輪50%:後輪50% | 「マルチモードダイヤルスイッチ:L4」+「センターデフロックスイッチ:オン」。比較的激しい凸凹道、起伏路、急勾配、オフロードの急な下り坂、ヒルクライミング、ぬかるみ、傾斜地、砂地、丸太道、林道(林間)、砂利道、石畳、ロックセクション、雪道、階段、オフロードの溝、モーグル路、ダート路といったオフロード全般を走行するモードや、起伏路で前後輪のどれかが接地せずに空転したときに加え、万が一のスタック時、ぬかるみからの脱出時に使われ、低速での走破性に優れ、エンジンブレーキの効果を加えた大きな駆動力が必要なときに使用する。センターデフをロックしたローレンジ直結4WD。トランスファーの変速比をローレンジにした直結4WD。 |
- トランスファースイッチシフトパターン
トランスファー設定\センターデフロックオンオフ切り替え設定 | センターデフロックOFF | センターデフロックON |
---|---|---|
H2 | FRの2WD、センターデフは無関係 | 該当無し |
H4 | ハイレンジ4WDセンターデフフリー、FRベースのフルタイム4WD | ハイレンジ4WDセンターデフロック、ハイレンジ直結4WD |
L4 | ローレンジ4WDセンターデフフリー | ローレンジ4WDセンターデフロック、ローレンジ直結4WD |
マルチモード4WDの各駆動モードでの速度範囲・最高速度については、「H4L」のときは、速度範囲は?km/h以下、「L4」のときは速度範囲は?km/h以下、「L4L」のときは速度範囲は?km/h以下。
センターデフロックオンの状態から、トランスファースイッチをH2に切り替えると、センターデフロックスイッチを操作しなくても、センターデフロックスイッチが自動的に解除され、センターデフは無関係になる。トランスファースイッチの位置が「H2」のとき、センターデフロックスイッチを押しても、センターデフロック状態にはならず、センターデフは無関係のまま作用しない。従って、レバー位置「H2L」は存在しない。センターデフロックは、H2の2WDモードでは機能しないためである。
4WDに切り替えた状態で、センターデフロックスイッチを押すごとに、センターデフロックのオンとオフが切り替わり、センターデフフリー⇔センターデフロック切り替えとなる。
トランスファースイッチをH2からH4またはL4にすると、4WD作動表示灯が点灯する。更に、トランスファースイッチをL4にすると、L4作動表示灯(4LO)が点灯する。
「マルチモード4WD」-「L4(ローレンジ4WDセンターデフフリー)」=「スーパーセレクト4WD-II」となる。
前後輪のどれかが空転したとき、直結4WDにすると、タイヤの回転数のトルク配分が前輪・後輪共に50%により、前輪が空転している場合は後輪が動き、後輪が空転してる場合は前輪が動くので、車両が動く。