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スーパーセレクト4WD-II

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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スーパーセレクト4WD-II(スーパーセレクトよんダブリューディーツー、super select 4WD-II)とは、パートタイム4WDとフルタイム4WDを組み合わせた仕組みで、FRがベースになっており、FRの2WD走行と、フルタイム4WDの切り替え方式で、フルタイム4WDはトルセンLSD付トランスファーを採用したセンターデフ式4WDで、「トルセンLSDセンターデフ式フルタイム4WD」といい、変速を設定して駆動力を高める副変速機を採用したものである。4WD駆動系コントロール操作性は、トランスファーの機能のモードは、「2H(FR)」、「4H(フルタイム4WD、ハイレンジ4WDセンターデフフリー)」、「4HLc(ハイレンジ直結4WD、ハイレンジ4WDセンターデフロック)」、「4LLc(ローレンジ直結4WD、ローレンジ4WDセンターデフロック)」の4パターンの駆動モードのポジションを持つ。直結4WDは、「ハイ」と「ロー」の切り替えを持つ副変速機付きになっている。1つの4WD駆動系コントロール操作性に、「トランスファー設定(2H、4H、4L)」と「センターデフロックオンオフ切り替え設定(Lc:あり/無し)」の2つの機能が組み込まれて一体化している。この場合、「トランスファースイッチ一体化」「トランスファーレバー」「トランスファーレンジ」「トランスファーギヤ」「4WDセレクター」という。1つのトランスファースイッチで駆動系の作動状態を切り替え操作できる。「4HLc」「4LLc」の「Lc」は、センターデフロックのロックの略。「4LLc」の第1音節のLは、ローレンジの略。4WDモードは、「4H」「4HLc」「4LLc」の3パターンある。走行中でも4WDモードと2WDモードの切り替えが可能なトランスファーを装備。オンロードは2WD(2H)と4WD(4H)両方とも使用可能で、快適に走れるので、4Hの4WDでもタイトコーナーブレーキ現象は起きることなく、オフロードのみならず、オンロードでも常に高い走行性能を発揮できる。走行中でも、100km/h以内ならFRの2WD(2H)⇔フルタイム4WD(4H)⇔4HLcの切り替えできる。スーパーセレクト4WD-IIは、様々な路面の状況に応じて4つの走行モードから最適な駆動方式・走行モードを選んで切り換える機能で、最適なトラクション性能を発揮し、多彩な走行モードを備え、様々な路面状況に幅広く対応し、全ての走行モードに対応する。4WDシステムの一つ。

スーパーセレクト4WD-IIは、スーパーセレクト4WDの改良型で、3代目以降のパジェロに採用された4WDシステム。スーパーセレクト4WDをベースに、トランスファーレバー操作の切り替えによる駆動モードを新たに改良した進化型である。直結4WDの機能は、センターデフ採用であるものの、以前であったスーパーセレクト4WDに付いている、VCU(ビスカスカップリング)付き遊星ギヤのメカニズムは持っておらず、VCUは廃止されている。

「4HLc」と「4LLc」とでは、センターデフロック、直結4WDとなるものの、「4LLc」に切り替えるときは、停車状態にしてから行う。チェンジレバーはNに入れて操作する。

表記法は、スーパーセレクト4WD-II(パートタイム4WD×フルタイム4WD)、FRベースのパートタイム4WD×FRベースのフルタイム4WD、FRベースの4WD。

車種は、三菱:パジェロ、パジェロスポーツ、トライトンに使用されている。

「トランスファー」と「副変速機」の違いは、「トランスファー」は、「2WD」「ハイレンジ4WD」「ローレンジ4WD」のように、「駆動方式の設定=タイヤの回転数のトルク配分の設定」と「変速の設定」を組み合わせた機能のことで、「副変速機」は、「ハイレンジ⇔ローレンジ」の2つの切り替え機能のことで、「変速の設定」のみの機能のことで、「トランスファー」から「駆動方式の設定=タイヤの回転数のトルク配分の設定」を取り除いたものと見なされる。

「ハイレンジ→ローレンジ」への切り替えを選択すると、副変速機のみが作動し、ギヤ比が下がる。

「センターデフロック解除」は「センターデフフリー」「センターデフ解除」「センターデフ付前後不等配分のフルタイム4WD」といい、「センターデフフリー」は、センターデフが働くモード、センターデフが作動・差動するモードで、トルセンLSD効果を発揮する駆動モードのことである。

ローギアは必ずセンターデフロックされる。

スーパーセレクト4WD-IIは、略して「SS4II」とも書かれる。

スーパーセレクト4WD-IIの走行モード、駆動モード表とその特徴
レバー位置 駆動モードの名称 タイヤの回転数のトルク配分 路面状況、意味、走行時の特徴
三菱:2H トヨタ:H2 フロントエンジンの後輪駆動(FR) 前輪0%:後輪100% 一般道路、高速道路のオンロード、乾いたオンロードのグリップ力が強く、通常走行において、軽快なハンドリング、燃費の低コストに適した走行、経済走行を実現する。
三菱:4H トヨタ:H4F ハイレンジ4WDセンターデフフリー、FRベースのフルタイム4WD 前輪33%:後輪67% FRベースのフルタイム4WD。トルセンLSD効果を発揮するハイレンジ4WD。オンロードでの常時4WD走行可能なモードで、トランスファーの基本位置であり、あらゆる速度領域に対応し、一般道路、高速道路のオンロードの他、砂利道、ダート道、石畳、低い段差といった穏やかな凸凹道のオフロード、平坦なオフロードを含む路面、滑りやすいオンロードといった、あらゆる路面状況、幅広い路面に共通する走行モードで、常時走行、通常走行である。フルタイム4WDにより、センターデフが差動し、前後輪の回転差の不等トルク配分を行い、運転中・走行中に前後輪の回転差を吸収し、ハンドリング性能が向上し、タイトコーナーブレーキ現象は起きることなく、4WDでもオンロードで常に高い走行性能を発揮する。
三菱:4HLc トヨタ:H4L ハイレンジ4WDセンターデフロック、ハイレンジ直結4WD 前輪50%:後輪50% 比較的激しい凸凹道、起伏路、急勾配、オフロードの急坂、ヒルクライミング、ぬかるみ、傾斜地、砂地、丸太道、林道(林間)、砂利道、石畳、ロックセクション、雪道、階段、モーグル路、ダート路といったオフロード全般を走行するモードで、起伏路で前後輪のどれかが接地せずに空転したときなどに使われ、大きな駆動力と大きなエンジントルクを持ち、これらの凸凹道のオフロードでフラット感のある安定した走りを実現し、オフロードグリップ及びオフロード走破性を向上させる。センターデフをロックしたハイレンジ直結4WD。センターデフロックにより、前後輪が直結され、直結4WDとなり、タイヤの回転数のトルク配分は、前輪50%:後輪50%固定のトルク配分で、タイヤの回転数が均等になり、前後輪の回転差動が停止され、駆動力を全てのタイヤに伝え、全てのタイヤが凸凹道の路面をしっかり捉え、力強い4WD走行となる。
三菱:4LLc トヨタ:L4L ローレンジ4WDセンターデフロック、ローレンジ直結4WD 前輪50%:後輪50% 比較的激しい凸凹道、起伏路、急勾配、オフロードの急な下り坂、ヒルクライミング、ぬかるみ、傾斜地、砂地、丸太道、林道(林間)、砂利道、石畳、ロックセクション、雪道、階段、モーグル路、ダート路といったオフロード全般を走行するモードや、起伏路で前後輪のどれかが接地せずに空転したときに加え、万が一のスタック時、ぬかるみからの脱出時に使われ、低速での走破性に優れ、エンジンブレーキの効果を加えた大きな駆動力が必要なときに使用する。センターデフをロックしたローレンジ直結4WD。トランスファーの変速比をローレンジにした直結4WD。

スーパーセレクト4WD-IIにおける駆動モードの名称は、メーカーによっては、表記法が異なり、「2H」「4H」「4HLc」「4LLc」は、トヨタ自動車の場合は、それぞれ、「H2」「H4F」「H4L」「L4L」と表される。「H4F」の「F」は、「センターデフフリー」の「フリー」、「H4L」「L4L」の末尾の「L」は、「センターデフロック」の「ロックの略」。

スーパーセレクト4WD-IIの各駆動モードでの速度範囲・最高速度については、「4LLc」のときは、時速70km/h以下(以内)である。

スーパーセレクト4WD-IIの「4HLc」は、パートタイム4WDでは「ハイレンジ4WD」に当たる。

前後輪のどれかが空転したとき、直結4WDにすると、タイヤの回転数のトルク配分が前輪・後輪共に50%により、前輪が空転している場合は後輪が動き、後輪が空転してる場合は前輪が動くので、車両が動く。

レバー位置を「4H(ハイレンジ4WDセンターデフフリー、フルタイム4WD」で、比較的大きな凸凹道、起伏路、急勾配、オフロードの急坂、ヒルクライミング、ぬかるみ、傾斜地、砂地、丸太道、林道(林間)、ロックセクション、雪道、階段、モーグル路、ダート路といったオフロード全般を走行すると、前後輪のどれかが空転し、駆動力が解放され、地面からの反力が欠け、他のタイヤの回転が欠けてしまい、十分な駆動力が得られず、車両が動きにくくなる。

4LLcは、副変速機によるエキストラローポジションともいう。