マイナーフラットファイブコード

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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マイナーフラットファイブコードとは、マイナーコードの5度を半音下げて減5度にした三和音。ルートと3度、3度と5度の音程が両方とも短3度。構成音間の音程は、ルートから短3度を2回重ねたコード。度数はルート・短3度・減5度。コードシンボルは「□m(♭5)」。ルートがCなら「Cm(♭5)」と表記する。トップが半音6個の音程に当たるコード。

でき方は、メジャーコードのルート以外の音を♭させたもの、メジャーコードのルートを#させたもの、トライトーンの音程を2等分して和音にしたものといった、色々な解釈がある。音程がこのように離れてたら、構成音間の音程が、短3度・短3度の全て3度間隔に聴こえる。

マイナーのニュアンスに加え、♭5の要素が加わったもの。ルートと減5度がトライトーンの音程を持つので、響きのニュアンスとしては、不協和音で、少し怪しく、ちょっと不気味で、儚く濁ったような、暗く不安定で緊張感があり、くすんだ響きで、何か出てきそうな、ドキドキするような、曇ったような、薄暗い感じの響きがする。ルート以外の2つの音がマイナーコードの5度省略なので、さみしげで切ない感じもする。

マイナーフラットファイブは、第5音の減5度がディミニッシュインターバルなので、本来、電子楽器では、ディミニッシュトライアドとも表記される。Cm(♭5)はCdimと書かれることもある。ただし、ディミニッシュコードは、ルートから短3度を2回重ねた和音だと、短3度重ねが不完全一致で、オクターブ内に収まらないので、減5度の上に、更に短3度を乗せた四和音にしないと完全形にならないため、三和音であることを限定するには「m(♭5)」と表記する。ディミニッシュインターバル=減音程のことで、完全音程が半音狭まったものを表す。ディミニッシュコードとは、マイナーコードの5度が半音下がって減5度にし、減5度の上に更に短3度を乗せたものらしい。

マイナーフラットファイブは、自然な形では、長調の三和音のダイアトニックコードの7番目のコード、短調(ハーモニックマイナー)の三和音のダイアトニックコードの2番目・7番目のコードに現れる。長短調の三和音の7番目のコード、「□m(♭5)・コード」は、ドミナントの機能がやや弱まっているので、使い方が限定されることがある。短調のダイアトニックコードの2番目のコードでは、第7音を加えたマイナーセブンスフラットファイブ〔m7(♭5)〕で代用される。

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コード\度数 ルート 短3度 減5度
Cm-5 ミ♭ ソ♭
C♯m-5 ド#
D♭m-5 レ♭ ファ♭ ラ♭♭
Dm-5 ファ ラ♭
D♯m-5 レ# ファ#
E♭m-5 ミ♭ ソ♭ シ♭♭
Em-5 シ♭
Fm-5 ファ ラ♭ ド♭
F♯m-5 ファ#
G♭m-5 ソ♭ シ♭♭ レ♭♭
Gm-5 シ♭ レ♭
G♯m-5 ソ#
A♭m-5 ラ♭ ド♭ ミ♭♭
Am-5 ミ♭
A♯m-5 ラ# ド#
B♭m-5 シ♭ レ♭ ファ♭
Bm-5 ファ
1 ♭9 2,9 ♭3,#9 3 4,11 ♭5,#11 5 #5,♭13 6,13 ♭7 7

外部リンク[編集]