フラッグ (モータースポーツ)

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

モータースポーツにおけるフラッグとは、自動車レースにおいてマーシャルからドライバー情報を伝える手段の一つである。従来は手旗などにより情報を与えていたが、近年ではLED表示器(デジフラッグ)により代替されることもある。チェッカーフラッグはこのフラッグの一種である。レース旗などと呼ばれることもある。

概要[編集]

自動車レースは高い速度域で行われることが多く、文字を掲示しただけではドライバーが内容を識別することは極めて難しい。そのため、ドライバーからも視認しやすいよう、旗の色や掲示方法で意思疎通を図ろうとしたものである。掲示方法には旗を掲げる静止掲示と旗を振る震動掲示でそれぞれ違う意味を持つ。

フラッグの例[編集]

フラッグは開催団体やそのカテゴリにより若干の差異はあるものの、おおむね共通したものが多い。その中でも共通してつかわれることが多いものの一部を記述する。

黄旗(イエローフラッグ)
危険信号の一つであり、コースの状況を知らせるステータスフラッグの一つ。コース上に何らかの危険がある場合に掲示される。
車両がコース外で停止していたり、コースマーシャルがその車両の撤去などをしている際に掲示される。スピンした車両がコース上に残っているなど、危険の度合いが高い場合は二本の黄旗が振られる。
黄旗が振られている区間は追い越しが禁止され、違反した場合はペナルティが課される。
赤旗(レッドフラッグ)
黄旗よりも重大な危険がコース上にある場合に掲示され、レースを一時中断するような場合に掲示される。大雨濃霧、多重クラッシュによるコース障害など、著しい危険が発生した場合である。
赤旗が掲示された場合、予選などではピットイン、決勝では赤旗ラインと呼ばれるラインで危険が解消されるまで全車が待機することになる。
当然追い越しは禁止であるほか、決勝でのピットインもペナルティ対象となっている。
緑旗(グリーンフラッグ)
上記のような黄旗・赤旗などの危険の除去が終わり、安全に競技を再開できる場合に掲示されるものである。
青旗(ブルーフラッグ)
後方から速度の速い車が接近していることを知らせる掲示である。
青旗が振られている場合は自分が周回遅れになっているため、速やかに譲る必要がある。この場合、譲らずにブロックなどで進路妨害とみなされた場合はペナルティを受ける。
青旗が掲げられている場合は後方から速度の速い車が来ていることを示している。主にピットロードなどで掲示される場合が多いが、1位と2位の争いの際に掲示されていることもある[注 1]
チェッカーフラッグ
黒と白の市松模様の旗である。レースの終了を示す旗であり、最終ラップを追えてホームストレートに帰ってきた先頭車両に向けて振られるものである。
黒旗
カーナンバーと共に掲示され、掲示された車両は速やかにピットインしなければならない。基本的にペナルティが課されることが確定している。なお、無視した場合はライセンス剥奪もありうる。

デジフラッグ[編集]

2000年代から夜間の視認性向上のため、LEDなどの光による掲示方法が採用されている。点滅と表示などで振動掲示と静止掲示の代わりとしている。かつてはチェッカーフラッグにも採用されていたが、誤表示によるレースへの影響があったため、現在は旗に戻されている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. F1における1992年モナコグランプリ決勝など