フジツボ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

フジツボ(ふじつぼ)は、節足動物門の蔓脚下綱、フジツボ亜目に属する生物の総称。に生息する固着性の動物。

概要[編集]

岩や貝殻、クジラの体表など、さまざまな基質の上に固着して生活する。一般的な甲殻類では歩脚に当たる部分が、蔓脚とよばれるつる状の脚になっている。この蔓脚を動かすことで、海中の有機物粒子を濾過して摂食する(山口, 松村&加戸 2002)

船の船底にくっついて燃費を悪くする。また発電所や工場などの排水、送水管を汚損する場合もある。かなり強力に接着されており、剥がすのは大変。

ミネフジツボやアカフジツボなどの大型のフジツボは食用にする場合がある。甲殻類らしい風味があり[1]、案外美味しいらしい。

生活史[編集]

生活の初期を浮遊幼生であるノープリウス幼生、キプリス幼生として過ごす。孵化後、6期のノープリウス幼生を経た後に、二枚貝のような殻をもつキプリス幼生に変態する。キプリス幼生は同種が発する化学物質に誘引され、定着する場所を見つけるとセメント物質を分泌して体を固定する(山口, 松村&加戸 2002)。雌雄同体であり、隣同士の個体で交尾をして繁殖する。

都市伝説[編集]

海岸怪我をすると体内でフジツボが繁殖するという都市伝説が有名。もちろん人間の体内では餌も取れないし浸透圧も違うのだから、そんな事は起きない。しかしながら、他の生物に寄生、共生するフジツボやその仲間は自然界に多く見られる。クジラやウミガメの体表にはしばしばフジツボが見られるし、広義のフジツボの仲間であるフクロムシはカニの腹部に寄生して生活する[2]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 山口, 寿之; 松村, 清隆; 加戸, 隆介 (2002), “甲殻類-付着生物フジツボ類 : その着生のメカニズム”, 化学と生物 40 (9): 624-628