パノラマエクスプレスアルプス

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パノラマエクスプレスアルプスは、国鉄165系電車を改造して1986年に登場したジョイフルトレインのこと。

登場の経緯[編集]

雄大な山岳風景を楽しめる中央東線大糸線で展望車両を導入したらというコンセプトで1986年に登場し、1987年3月に運用を開始した。

改造内容[編集]

東線内の狭小トンネルに対応すべくモハ164形800番台を組み込んだ3両編成2本が種車となり、すべてクモロ165、モロ164、クロ165に改形式され、1本は方向転換がなされた。クロ165は国鉄で始めて前面に運転席より前にある展望室を設けるなどの大改造になったため、車体は新造されている。

車内にはラウンジや個室が設けられ、客室内も1350mmピッチのリクライニングシートに改められた。

クモロ165の前照灯は角型化されている。

走行システムは165系そのままであるが、183系との併結対応改造がなされているものの最後まで使用されることはなかった。

運用[編集]

1987年3月より運行を開始し、国鉄分割民営化前夜からは日本テレビの「さよなら国鉄スペシャル」の団体専用列車として使用された。

1990年には三鷹車掌区開設20周年を記念し、165系なのはな車を中間にはさみ、三鷹 - 高崎間を武蔵野線経由で12両編成で運行した。

1993年には山梨県の観光キャンペーン「しんせん・やまなし」の一環で、167系を中間に挟んだ10両編成で急行「しんせんやまなし」として運行された。

1997年には横軽廃止前日に碓氷峠を通過し、これはジョイフルトレイン唯一の記録となった。

2000年には高校生クイズの団体専用列車として抜擢された。

廃車と譲渡[編集]

流石に老朽化は否めず、2001年9月に廃車、2本とも富士急行に譲渡され同社の2000形となり、フジサン特急として定期運用を開始した。

しかし、2013年に8000系が小田急から転入すると2002Fが運用を終え、当初予定していたラストランが豪雪で中止になりながら寂しく廃車。2001Fも8500系がJR東海から転入したため2016年7月のお別れイベントをもって引退し、同時に急行型直流電車も営業線上から姿を消した。

関連項目[編集]

  • やすらぎ (鉄道車両) - 12系改造のジョイフルトレインだが、2001年の廃車後わたらせ渓谷鐵道にてサロン・ド・わたらせとして2009年まで使用された。