ドクター・ドゥーム
ドクター・ドゥームとは、マーベル・コミック社が刊行する漫画シリーズ『ファンタスティック・フォー』に登場するヴィラン(敵役)である。マーベル社が著作権を持つ他作品シリーズやゲーム作品にもヴィランの1人として登場している。
概要[編集]
本名はヴィクター・フォン・ドゥーム。魔女としての力を備えるジプシーの母と貴族の父との間に産まれる。父は政敵の罠によって殺され、それを機に母親から魔術の一旦を教えられた。
高い知能を持っていたドゥームはアメリカのエリート大学・エンパイアステート大学にスカウトされ、そこでリード・リチャーズ(後のミスター・ファンタスティック)と出会う。発明家としての才能を開花させたドゥームは死人と交信する実験を行う。危険性を指摘するリードを無視しての実験は失敗に終わり、ドゥームはその際の爆発事故で顔に醜い大怪我を負った。大学から事故の責任を負わされて追放され、その後世界中を放浪し、チベットで魔術を操る集団と合流し魔術を習得する修行を開始する。長年の修行の末に強力な魔術と肉体を身に付けたドゥームは集団のリーダーとなり、母親の血筋の故郷である国家「ラトヴェリア」の支配者層を打倒し君主となる。ラトヴェリアの指導者となったドゥームは世界征服に乗り出し、リード率いる「ファンタスティック・フォー」やスーパーヒーロー達と戦いを繰り広げる事になる。
特徴[編集]
顔を覆う銀色の鉄仮面を被り、全身を鋼鉄の鎧で覆っている。この鎧はドゥームの頭脳によって作り出された数世代先のハイテク兵器が内蔵されており、恐ろしいパワーと防御力を誇る。ミサイル、バリアー、ビーム砲、電撃などの多くの武器を備え、反重力装置によって飛翔能力を得ており、自立稼働やテレポートまで出来る。外からの攻撃に対する衝撃吸収能力は驚異的で、鎧の内部にもしものための水食料・空気も備蓄されている。いくらかの魔術を会得しているうえに本人の素の戦闘力も高く、多人数相手でも圧倒する展開も多い。
超能力で戦うファンタスティック・フォーに対し、ドゥームは特殊能力を持たない代わりに高度な知能と技術力・開発力を有している。その知能は世界トップクラスであり、天才的な頭脳とハイテク技術によって数々の陰謀や作戦を企み、ヒーロー達を幾度となく危機に陥らせた。
小国とは言え、ラトヴェリアという歴史ある立派な一国家の王である。政治体制は専制君主制。ヴィランではあるが君主としての徳と知識を持ち、指導者として誠実に勤務している。そのため、国民からは信頼・敬愛され絶対の支持を受けている。
性格[編集]
傲慢で自意識過剰な性格。その性格のせいで敗北した事も多い。自身の才能に絶対の自信を抱いており、リードを自身に匹敵する天才だとは認められず、上述した実験で自身のミスを指摘され、これが正しかった事でリードに対する敵意と執着心を持つに至った。その一方でリードを誰よりも認めている部分もある。基本は外見通り冷徹だが、時々他者に対して優しさを見せる。歪んではいるが器が大きく高潔な精神を持っており、高潔な者しか扱えないという神の武器「ミョルニル」(マイティ・ソーの主人公・ソーの武器)を使えている。
世界征服の先には「平和な理想郷を実現させる」という遠大な目標を持っている。
その他[編集]
日本ではただの悪役という知名度しかないが、本国アメリカではそのキャラクター性で絶大な人気を誇っている。アニメ「宇宙忍者ゴームズ」では「悪魔博士」という名前で登場。原典の東欧訛りの英語で話すという点に忠実に従った結果、何故か名古屋弁で話すキャラになった。