トラツグミ
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トラツグミ(漢字表記は「鵺」)とは、体長三十センチばかり、日本全国に分布する野鳥である。体の上面は黄褐色、各羽毛の末端に三日月型の黒斑があり、虎の毛皮の斑紋のように見えるため、トラツグミと名づけられた。四月から五月の繁殖期にかけて、しきりに鳴くが、「ヒョー」と鳴くのが雄で、「ヒー」と鳴くのが雌である。雌雄の二羽が呼び交わすように「ヒョー」「ヒー」と鳴くため、音源の位置がわかりづらい。
概要[編集]
丹沢(神奈川県)の近くの中川温泉で、毎晩のように金属的な怪音が山奥から聞こえてくるため警察が調査したとこっろ、これがトラツグミの鳴き声であったという。澁澤龍彦によれば、明け方近くに「ヒョー、ヒー」という音がする。「最初のうちは、どこかで誰かが、深夜にブランコにでも乗っているのかと思った」という。場所は北鎌倉の円覚寺の裏山であったという。
人間生活との関わり・利用[編集]
いわゆる怪獣のヌエは、『平家物語』に「鳴く声ヌエにぞ似たりける」とあるだけで、名前はないという。『長門本平家物語』や『源平盛衰記』に、この怪獣が袖の中に飛びこんだところを捕らえてみたら、「年老いた毛朱なり」という記述がある。ただし「毛朱」という語はないので「毛未」の誤りであろう、と『善庵随筆』にあり、澁澤は「モミとは、ムササビの古名なのだ」と『東西不思議物語』で述べている。
参考文献[編集]
- 澁澤龍彦『東西不思議物語』