トライトーン
トライトーン(tritone)とは、音程の一つで、日本語では「三全音」と呼ばれる音程。
概要[編集]
定義は、全音が3つ分の音程が語源。半音の数が6個分。オクターブを2等分したもので、結果としては1/2オクターブとなる。5度圏では円の対角線上で、調性感が一番遠い位置にある2つの音の関係にある。ユニゾンとオクターブの中間に当たる音。1度と8度の中間の音。上下を反対にしても同じ音程になる。
音程の度で表すと減5度(b5th)もしくは異名同音程の増4度(#4th)。ここで、白鍵の音だけを使う調性であるハ長調を基準に考えると、減5度は第7音のシに対して第4音のファ、間に入っている音は半音+全音+全音+半音、増4度は第4音のファに対して第7音のシ、間に入っている音は全音+全音+全音となる。減5度には階名が5つで、「シドレミファ」、増4度は階名が4つで、「ファソラシ」となる。減5度を転回すれば、増4度となり、「増4度」と「減5度」は異名同音の関係にある。減5度と増4度は、音の重なり方が違う。トライトーン単体が作り出す響きは、強烈な不協和音であり、濁った響きで、くぐもった感じで、不安定で緊張感を持つスパイシーな効果と何か出てきそうな感じがするという怪しい響きで、不気味な印象を持つので、「悪魔の音程」と呼ばれる。
自然な形では、コード(和音)で、普通のセブンスコード(ドミナントセブンスコード)の構成音の中の、長3度と短7度の2つの音の間の関係に現れる。減5度は、音程が上下半音ずつ狭い和音である内部音程に進み、増4度は音程が上下半音ずつ広い和音に進みたがる性質を持つ。このような進行を「ドミナント・モーション」と呼ぶ。終止感のエネルギーが強い。不安定な性格を持つところから何らかの解決(安定)を促すエネルギーを持っている。これは、ドミナント終止である。
ドミナントセブンスコードの長3度(導音)は短2度上行、短7度は短2度下行または長2度下行する。
減5度は、導音が下の音となる。
長調において、減5度の音程が存在するのは1か所だけである。
トライトーンの音程を2等分して和音にすると、構成音は、ルート・短3度・減5度の三和音になり、コードタイプは「ディミニッシュトライアド(マイナーフラットファイブ)」になる。ルートがCの場合、「下のド(C3)」と「上のファ#(F#3)/ソ♭(G♭3)」を二等分して和音にすると、「ド・ミ♭・ソ♭=Cdim=Cm(b5)」になる。ここで、そのミ♭を半音下にずらすと、外枠の減5度「ド~ソ♭」は異名同音の増4度「ド~ファ♯」になり、「ド・レ・ファ♯」となり、コードネームは、「D7(omit5)/C」となる。理由は、「ド・ミ♭・ソ♭」の場合、音程がこのように離れてたら、構成音間の音程が、短3度・短3度の全て3度間隔に聴こえ、そのミ♭を半音下にずらすと、構成音間の音程が、長2度・長3度に聴きたくなるからである。「ド・ミ♭・ソ♭=Cdim=Cm(b5)」の真ん中の音を半音下げたら、3度・3度の堆積にはならない。
また、Cm(b5)のみ♭を半音上げると、外枠の減5度「ド~ソ♭」は異名同音の増4度「ド~ファ♯」になり、「ド・ミ゙・ファ♯」となり、コードネームは、「Am6(omit root)」または、「C(b5)」となる。