チョウセンハマグリ
ナビゲーションに移動
検索に移動
チョウセンハマグリ(朝鮮蛤[1][2], Meretrix lamarckii, 英:Lamarck's hard clam[1])は、マルスダレガイ科ハマグリ属の二枚貝。「ハマグリ」という名称で日本国内で販売されているのは、事実上全部本種またはシナハマグリである(ハマグリMeretrix lusoriaは絶滅危惧種)[3]。
分布[編集]
日本国内では房総半島以南の太平洋側、能登半島以南の日本海側。ほか、台湾。海南島[4]。フィリピン[5]。
形態[編集]
殻長100ミリ、殻高70ミリ、拡幅40ミリ[6]に達する、ハマグリ属としては大型の種である。
殻は丸みを帯びた三角形[5]。ハマグリに比べ殻は厚い。膨らみはやや弱く、腹縁の湾曲も弱い[1]。こう歯(漢字出ない)は大きく、強い[4]。外套線湾入は丸く、ハマグリよりもやや深い[5]。
殻の表面の外見は淡褐色を典型に個体差が大きい。老成すると模様の鮮明な個体は少なくなる[7]。斑紋は淡く、目立たない[1]。
生態[編集]
外洋に面した海域[7]の、潮間帯下部から水深20メートル程度の砂底に生息する[4]。
植物プランクトンを餌とする[8]。
産卵期は7 - 8月。孵化から約3年で殻長3センチまで成長する[8]。
人との関わり[編集]
食用にする。ただし肉質は少し硬く[6]、味はハマグリに劣る[2]。おもな産地は鹿島灘、日向灘、九十九里浜など[6]。
また、半化石を碁石の材料として利用する[4]ことから、ゴイシハマグリの別名を持つ。かつては宮崎県が有名な産地であった(最上の品質をたたえられた)が、近年ではメキシコ産のメキシコハマグリ(属は異なる。科は同じ)を輸入して使うことも多い[9]。
参考文献[編集]
- 髙重博 『温帯域・浅海で見られる種の生態写真+貝殻標本 日本の貝』 誠文堂新光社、2019年1月21日。ISBN 978-4-416-51834-2。
- 『子どもと一緒に覚えたい 貝殻の名前』 秋山信彦, 吉川尚, 野口文隆(監修)、マイルスタッフ、2019年8月1日。ISBN 978-4-295-40336-4。
- 『日本大百科全書』8、小学館、1986年3月10日。ISBN 4-09-526008-4。
- 『日本大百科全書』15、小学館、1987年5月1日。ISBN 4-09-526015-7。
- 『改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類』 世界文化社、2004年6月15日。ISBN 4-418-04904-5。
- 奥谷喬司(編著) 『日本近海産貝類図鑑』 東海大学出版部、2017年1月30日、第二版。ISBN 978-4-486-01984-8。
- 『語源・由来 日本料理大事典』下巻、小倉久米雄et al.、ニチブン、2000年7月15日。ISBN 9784931336049。
- 『魚Ⅱ』 河野友美、真珠書院〈新・食品事典4〉、1991年7月20日。ISBN 4-88009-104-9。
- 『相模湾産貝類』 生物学御研究所、丸善、1971年。ISBN 4-621-01217-7。