ジャイアンツ (映画)

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ジャイアンツ(じゃいあんつ、原題: Giant)は、1956年に公開されたアメリカ合衆国映画である。監督はジョージ・スティーヴンスである。小説家エドナ・ファーバーの同名のベストセラー小説を映画化したものである。ジャイアンツは映画俳優ジェームズ・ディーンの最後の出演映画である。ジョージ・スティーヴンスは本映画で第29回(1956年)アカデミー監督賞を獲得した。三時間を越える超大作である・ ジャイアンツは2005年にアメリカ議会図書館により、アメリカ国立フィルム登録簿に文化的・歴史的・美術的に重要であるとして新規登録された。 ディミトリ・ティオムキンの主題曲”ジャイアンツ”は日本でヒットした。 「ジャイアンツ」は、テキサスで1日5万バレル以上出る油田を指している。

あらすじ[編集]

メリーランド州の牧場に馬の買い付けに来たテキサスの59万エーカーと広大な「レアータ牧場」の牧場主ヴィック・ベネディクトと牧場の娘レズリーは美しさに魅かれて恋に落ち、結婚してテキサスに住む。「レアータ牧場」は、ジョーダンの姉ラズが取り仕切っていた。ラズは独身で男勝りの性格だったが、風変わりな使用人ジェット・リンクに好意を寄せていた。レズリーは、当初テキサスの荒っぽい気質に驚くが、徐々に慣れる。ジェットはテキサスの土地は、メキシコから1エーカー25セントと安く買ったものだから盗んだものと同じだと言う。 ラズはレズリーが連れてきた「戦いの風」の名の荒くれ馬に乗り、落馬して亡くなってしまう。その遺書にジェットに形見分けとして60エーカーの土地を譲ると書かれていた。ジョーダンは、時価の倍の1200ドルの現金で買うと申し出たが、ジェットは断り、土地を受け取り囲いを作る。ブームであった石油採掘を始め、やがて掘り当てる。ジェットから「レアータ牧場」の土地からも採掘を誘われ、プールを作り、飛行機を買うなど大金持ちとなる。 長男のベネディクト3世は医者を志望して、牧場は向いていないから継がないと言いだすだけでなく、おやじが蔑視するメキシコ人と結婚する。娘のラズ2世は未婚だが、広大な牧場は時代遅れと言いだす。ジェットはラズ2世に遠まわしのブロポーズをするが、ラズ2世は遠まわしの辞退をする。ジェットは金持ちにはなったが、心は満たされず孤独な人生のままである。娘のアンヘル2世は牧場の牧童と結婚したいと言いだし、ヴィックは跡継ぎに考えるが、徴兵の取られてしまう。祝賀パーティが開催されるホテルで息子のジョーダン3世のメキシコ人の妻が人種差別を受け、ヴィックとジェットは殴り合い寸前となる。 一家で立ち寄ったレストランでメキシコ人が差別されるのを見て、ヴィックは義憤に駆られて店主に殴り掛かるが、逆に打ちのめされてしまう。ヴィックはレズリーに「今更虚勢を張っても始まらない。僕の負けだ。何一つ思い通りにならなかった」と語る。 レズリーは「食堂での喧嘩で、汚れたお皿の中に倒されたとき、あなたは、本当の英雄になった」と慰め、ヴィックが人種差別から決別したことをたたえる。

映画の背景[編集]

古いテキサスを舞台として女性差別、人種差別、社会的格差などの今でも色あせないテーマを扱っている。横糸として愛と葛藤、粗野と優雅、一攫千金の夢がからむ。第二次世界大戦によって若い命が失われる悲劇。南部に残るメキシコ人への人種差別と農場主と使用人との格差社会の構造。大牧場主や石油王という財力社会の社会的称賛に対して、石油採掘で財を成したジェットがどうしても手に入れられなかったものへの悔恨の念を抱く。

アメリカのテキサス英語がふんだんに出てくるところは、英語の勉強にもなる[1]

概要[編集]

  • 上映時間:201分[2]
  • 製作国:アメリカ
  • 米国公開日: 1956年10月10日(ニューヨーク)
  • 公開年月:1956年12月22日(日本)
  • 言語:英語
  • 製作費:540万ドル
  • 興行収入:1400万ドル

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

参考文献[編集]