クーアノックエクスプレス

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クーアノックエクスプレス(英語:Qoornoq X-press)とは、かつてグリーンランドに存在していた軽便鉄道である。複数のウェブサイトや地図によって存在が確認されているものの、情報が少なく、幻の鉄道といえる。

概要[編集]

クーアノックは、グリーンランド南西部、基礎的自治体セルメルソークに位置する漁村である。

1955年、漁業の効率化のため、この村に軽便鉄道が建設された。

村の漁港とニシン加工工場を結ぶルートで、軌間は600mmであった。動力車や客車は運用されておらず、無蓋貨車一両と人力で貨物輸送を行っていたと考えられている。建物の中を通り抜けていく軌道に、木製の橋桁の上を進む高架区間(?)、突然現れる直角のターンテーブルなど、珍しい設備が目白押しであった。

ところが1971年頃、都市への集住を進めるグリーンランド政府の政策の影響で、クーアノックの人々は首都ヌーク(ゴットホープ)への移住を余儀なくされた。それに伴いこの軽便鉄道も放棄され、事実上の廃線となった。

2000年代に入ると、都市部の人々の別荘地として、クーアノックに再び人が訪れるようになった。その過程で、クーアノックエクスプレスの廃線跡は観光資源と目され、ある程度の保護を受けつつ今に至る。

路線[編集]

前述のとおり、村の漁港と村の中心部にある加工工場を結ぶ路線である。大まかにはY字型の線形をしており、途中に分岐点が存在する。漁港側起点を出てすぐのところにも、非常に短い支線が複数存在する。下記参考文献のリンク先の地図が詳しい。

編集者がカシオの地図ツールを用いて路線距離の大まかな計測を行ったところ、漁港側起点~分岐点が166m、分岐点~右側終点が158m、分岐点~直角ターンテーブル~左側終点が147mであった。総延長はおおよそ471mと、一漁村の手押しトロッコにしては長いものと思われる。

車両[編集]

現在確認されているのは、無蓋貨車一両のみである。客車や各種動力車の存在は確認されていない。

訪問[編集]

ヌークからチャーター船に乗り、この村に数時間上陸する日帰りツアーが存在する。参加すればほぼ確実にクーアノックエクスプレスの廃線跡を拝めるのだが、コロナの影響で中止が続いているものも存在する模様。

なお、ツアーは英語またはデンマーク語で行われるため、その点には注意が必要である。

参考文献[編集]