クリスマスツリー現象 (警報)
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クリスマスツリー現象(クリスマスツリーげんしょう)とは、機械等の運転時に、何らかの故障や異常が発生した際に、多数の警告が同時に発出され、運転者の混乱を招いたり、重要な警告が埋もれてしまう現象のこと。エラーのおかわりが際限なく続くことから、わんこそばになぞらえわんこエラーと呼ぶこともある。
この現象について[編集]
この現象が広く知られることになったきっかけに、スリーマイル島原子力発電所事故がある。これは、同時に137個の警報ランプと85回の警報音が鳴動、原子炉運転員がこれに混乱し、警報の意味を取り違え、作動していた非常用炉心冷却装置を停止させたことで、メルトダウンへと至った。
この現象は単純なヒューマンエラーとして片付けることはできない。機械の最終的な運転主体が人間である限り、クリスマスツリー現象発生時の混乱は避けられない。これはむしろインターフェースとしての警告システムの在り方に対する重大な問題点として、現在も様々な視点から警報装置のより良い仕組みが研究されている。
例[編集]
たとえば軽微な警告については、なるべく発出せず、運転終了時などのメンテナンスができるタイミングで通知するやり方が採用されている場合もある。しかし、運転中に故障等がひろがり、重大な警告を出さざるを得ない状況に陥ると、事前の察知ができないまま致命的なエラーに遭遇することになるため、いっそう混乱を来すという説もある。
今後[編集]
機械の運転に機械自身の判断が広く取り入れられ、また人工知能による自律制御が広まっていく中で、複雑化する故障原因とその警報の在り方は、今後も大きな問題となってくるだろう。