クラッシュホン

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中央レーダー画面前に置かれた赤い電話機がクラッシュホン。

クラッシュホン(Crash Phone)とは、航空管制室や関係各所に置かれる、緊急時に空港消防署などに一斉連絡するための、緊急電話。

航空機には引火性の非常に高い燃料が多く積まれており、90秒ルールとして知られるように、フラッシュオーバーなどの急激な火災に至る可能性があることから、全ての商用空港では、事故発生の一報から3分以内に現場に到着し、消火活動や救助活動に当たる必要がある、とFAA(連邦航空局)により定められている(3分ルール)。

事故の内容、場所、搭乗者数は必ず電話で伝える必要がある内容である。用語は厳格に規定され、聞き間違い・解釈間違いなどが起こらないよう明確な意思疎通が求められる。明瞭な通話により明確に指示を出すことが重要とされる。連絡先はもちろん空港消防署を含むが、一般の消防・警察、近隣の救急病院、航空機の運航者(航空会社等)への連絡も必要である。状況により、軍や海上保安組織、あるいは空港管理会社・テナント等にも適宜連絡する。

人命に関わるものであるから、故障は許されず、幾重の冗長性が確保されるのが常である。第一手段である専用の電話線を使ったクラッシュホンはもちろん、無線機、携帯電話やポケベル、サイレンなどの警報装置など、様々なバックアップ手段が確保される。クラッシュホンはその一手段にすぎない。

空港では常にこのクラッシュホン(あるいは他の緊急連絡手段)が常に正常に稼働するよう保守することが求められ、動作試験や管理責任者の設置が望まれる。

参考[編集]