クラインポットの迷宮

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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クラインポットの迷宮』は、take氏が制作したフリー配布のバトルゲーム。遊ぶ感覚としてはトレンディングカードゲームに近い内容である。[1]

概要[編集]

Fream等で公開中。Vectorを経由してダウンロードする。グラフィックは独特のウマヘタのようなキモユルのような仕上がり。BGMはステージ選択画面と戦闘シーンでの2曲あり、何れもどこか西洋神話を彷彿とさせるような荘厳な曲風となっている。

全17ステージ(ステージ1~15+ラストステージ、Exステージ)で、プレーヤーが操作する主人公・アルベルトとコンピューターが操作する各ステージのボス1体との1vs1構成。プレーヤーは初め「衝撃波」「火炎弾」「バブルアタック」「サンダー」「イチモクレン」「サンシャイン」「ムーンライト」「隕石」「花吹雪」「電龍」の10スキルを持っており、ステージをクリアする度にランダムで新しいスキルを取得する(既に持っているスキルを重複して獲得することもある[2])。ステージ選択前にはスキルのセットアップができ、今までに取得したスキルの中から次のステージで装備する10スキルを選ぶ。スキルは消費式ではなく何ステージも使い回せる。このあたりの感覚がとてもトレンディングカードゲームに似ている。

いざステージを選択すると遂にバトルが始まる。アルベルト・敵ともに初期HPは100であり、これを0にした方が勝利、というシンプルなルールである。バトルは交互にスキルを1つずつ使う形で展開する。(なお、先手後手はランダムに決まる。)プレーヤーたちには試合開始時にすべてのスキルにおいて10ポイントのAPが与えられており、APを1ポイント消費することでそのスキルを発動する(いわゆるマジックポイント)。一般的なゲームに見られる「威力の高いスキルを発動するにはより多くのコストを必要とする」という概念が、このゲームに存在しない事は非常に特徴的といえよう。但しこのゲームには多種多様な変わったスキルが存在し、一見強力なスキルも状況によっては最弱なスキルへと変わりうる。「単純にどのスキルが一番強いとは言えない」――――これがこのゲームの最も面白い所であろう。

なお、ギブアップのためのボタンなど存在していないので「どう見ても負けです、本当にありがとうございました」な状況になっても、HPが0になるまで機械的に続行するか、画面を一度閉じて再起動するしかない。

「使用する」タイプのスキルを【コマンドスキル】と呼ぶのに対して【オート・アビリティー】と呼ばれる「使用しない」タイプのスキルも存在する。これはその名前(Auto・ability = 自動の・能力)からも分かるとおり、所持しているだけで効果を発揮するもので、当然APという概念もない。

なお、各スキルは「火炎」「氷結」「疾風」「電撃」「光」「暗黒」「物理」「魔法」の何れかの属性に区分される。ただし【オート・アビリティー】に属性はない。また、攻撃性のない「アイテム」のようなスキルも存在し、これにも属性はない。

低スペックのパソコンでは時としてかなり動作は重く、またバグも多い。バグはグラフィックの表示に関わるものが殆どで、攻撃エフェクトが正常に表示されなかったり、主人公や敵キャラのグラフィックが突如異なるキャラに変わったりする。BGMが「ループ」することもしばしばである。

タイトル[編集]

なぜ「クラインポットの迷宮」というタイトルであるのか直接的な理由は明らかにされていない。窓の杜の紹介ページによると『“クラインポットの迷宮”というダンジョンのクリアを目指すゲーム』という説明がなされているが、おまけ.txtがあるわけでもオープニングムービーがあるわけでもなく、主人公や敵も無口で会話を交わしたりとかはしないので、本当に公式にその解釈でいいのかは疑問が持たれる。少なくとも公式サイトのゲーム紹介ページではそこまで踏み込んだ説明はなされていない。

間接的にはクラインの壷が語源になっていると思われる。最終ステージ(Exステージ)に「クライン」という敵キャラが登場し、そのビジュアルもクラインの壷に顔がついたようなものであるところから、容易に推測できる。なぜ「ポット」なのかは不明であるが...。

スキル一覧[編集]

ダメージ値が「A-B」と表現されているものは、A-B間のランダムな値をとることを意味する(無論ながら整数値のみ取ります)。尚、スキルの説明文はゲーム中の説明表記からの引用を含んでいます。

スキル名 ダメージ値 追加効果・備考・余談など
火炎属性
隕石 4 「魔力漏洩」の追加効果。使用された相手は全てのスキルのAPが1ポイント減少する。
初期所持スキルのひとつ。
サラマンダ セット中の火炎属性スキルの数×3 サラマンダ」は一般に「火精」と和訳される、西洋の精霊の名。
インフェルノ 19 全員に火炎属性攻撃。従ってスキル使用者もダメージを負う。「火炎無効」などと併用すると吉。
「インフェルノ」はイタリア・スペイン・ポルトガル語で「地獄」。
火炎車輪 7 「氷結封印」の追加効果。使用された相手は次ターン、氷結属性のスキルを発動できない。
「怪魚」と対をなすスキル。
ファイアブラスト 9 対戦相手の1段目のコマンドスキルは「ファイアブラスト」に変化する。
「バブルアタック」「シャッフル」と組み合わせると、意外な強さ有り。
火炎弾 火炎スキルが発動された回数+7 敵味方両方の発動を数える。初期所持スキルのひとつ。
ドラゴンブレス 16 発動コストとして使用者のライフの最大値は16ポイント減少する。「火炎無効」を装備していても最大値は下がる。
氷結属性
バブルアタック 6 対戦相手の1段目のスキルが火炎属性だった場合それを破壊する。
初期所持スキルのひとつ。
「ファイアブラスト」「シャッフル」と組み合わせると、意外な強さ有り。
花吹雪 7-10 初期所持スキルのひとつ。
氷結弾 氷結スキルが発動された回数×2
吹雪の剣 13 対戦相手よりもライフの値が低い時のみ発動可能。「雷鳴の剣」に似る。
怪魚 7 「火炎封印」の追加効果。使用された相手は次ターン、火炎属性のスキルを発動できない。「火炎車輪」と対をなすスキル。
疾風属性
竜巻 5-12
イチモクレン 経過ターンに依存 3ターン目なら3ダメージ、10ターン目なら10ダメージ。
初期所持スキルのひとつ。
名称は暴風雨の神「一目連大神」に由来か。
衝撃波 AP値に依存 AP値が3ならば3ダメージ、10ならば10ダメージ。
初期所持スキルのひとつ。
風神の布 11-13 奇数ターンの場合のみ発動可能。「雷神の太鼓」と対を成すスキル。
電撃属性
サンダー 1-3 発動に成功した場合APが尽きるまで発動を繰り返す。たとえば使用時にAPが10ポイントであった場合、最大30ポイント(最低10ポイント)ダメージを与えられる。
「精霊石」とセットで使うと強い。また「走馬灯」を使って、敵に「七星陣」を送り付けた後で使うのもかなり強い。
初期所持スキルのひとつ。
電龍 1-15 初期所持スキルのひとつ。
ランダム性があまりにも高い為、有効利用は困難。一発逆転狙いにでも使えるか。
ナマズ AP値に依存 「衝撃波」の電撃版みたいな。
ライトニング セット中の電撃属性スキルの数×3 英語で「稲妻」。
雷鳴の剣 14 対戦相手よりもライフの値が低い時のみ発動可能。「吹雪の剣」と対をなすスキル。
雷神の太鼓 12 偶数ターンの場合のみ発動可能。「風神の布」と対を成すスキル。併用するとかなり強い。
光属性
シャイニング 11 shiningは英語で「明るい」「きらめく」。
天罰 対戦相手が所持する暗黒属性スキルの数×5 「イビルワーム」「シャッフル」と組み合わせると、なかなかに鬼畜。
フラッシュビート 5 発動に成功した場合全ての電撃スキルを破壊する。使用者自身の電撃スキルも対象に含まれる事に注意。
暗黒属性
ドクドクロ 相手のライフの20% 敵のライフが多い序盤ほど効果を発揮する。逆に敵のライフが少ない終盤にはあまり役に立たない。
敵ライフが4以下の場合ダメージは入らない。(20%が小数点以下にしか成らない為)
ダークマタンゴ 対戦相手からダメージを受けた回数 たとえ攻撃されてもダメージを受けなかったなら(無効スキルを持っていた場合など)威力は増加しない。
イビル・ワーム 6 対戦相手の1段目のコマンドスキルは「イビル・ワーム」に変化する。「シャッフル」「天罰」などと組み合わせると凶悪。
ライフドレイン 6 発動に成功した場合使用者のライフを6ポイント回復する。相手のHP6ポイントを、使用者側に吸い寄せてくるようなイメージか。(発動時アニメーションもそれっぽい感じである。)
名称はFFに登場する魔法「ドレイン」に由来か。(「ドレイン」は敵のHP/MPを奪い、同時に自分は回復する魔法。)
物理属性
ゴロンゴロン 10
メガトンハンマー 3 対戦相手の10段目のコマンドスキルを破壊する。
仏像投げ 1-x (一定時間内のクリック連打回数)+1のダメージ。
魔法属性
忘却の弾丸 15 手持ちのスキルどれか1つを生贄に捧げることで発動する。以後、そのスキルの欄は空欄になり二度と使えなくなる。「忘却の秘薬」に似る。
バロックストン 2 対戦相手の持つスキルのひとつはランダムで別のスキルに変化する。
敵がこれを持っていると厄介だが、逆にプレーヤー側としては有効活用しにくい。
ポイズン 6 対戦相手のライフの最大値は6ポイント減少する。かなり強力で凶悪なスキル。

以下は【オート・アビリティ】および属性を持たないスキル。

スキル名 使用効果 備考・蛇足など
オート・アビリティー
トロイの木馬 ターン終了時に自動的に効果を発動、このスキルの所持者に3ダメージ。 「走馬灯」と併用するのが常道。
マナストーン ターン開始時に自動的に効果を発動、セット中のマナストーンの数と同じ値のライフを回復する。 たとえ3つもセットしても、1ターンの回復量は3。微々たるもので、実際の戦況に影響を与えるのは、困難な気もする。スキルが破壊されたスペースに、「サルベージ」を用いて一斉マナストーン埋めをするのなどが、実践的な使用法だろうか。(だとしても微々たるものだが。)
物理無効 物理属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
魔法無効 魔法属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
火炎無効 火炎属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
氷結無効 氷結属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
電撃無効 電撃属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
疾風無効 疾風属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
光無効 光属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
暗黒無効 暗黒属性攻撃を受けた時その効果を打ち消す。
七星陣 このスキルの所持者に与えられる全てのダメージは7になる。 「走馬灯」を使って敵に「七星陣」を送りつける → 「サンダー」発動、がマジ強い
スネークハート 対戦相手がダメージを受けるたびこのスキルの所持者のライフは1ポイント回復する。
命綱 致死ダメージを受けたときライフを1の状態で復帰する。発動後このスキルを破壊する。 「発動後このスキルを破壊する。」→つまり、使い捨てのスキルだから1回しか発動できませんよ、ということ。
無属性スキル
サンシャイン 使用者のライフを回復。威力はAP値に依存。 初期所持スキルのひとつ。
魔道士の心 使用者の所持する対象のコマンドAP値を50%UPする。 かなり強い。「衝撃波」「ナマズ」「サンダー」などと併用すると吉。また「サンシャイン」のAP値をあげまくって回復無双にするのも負けにくい。
忘却の秘薬 ライフを18ポイント回復する。 手持ちのスキルどれか1つを生贄に捧げることで発動する。以後、そのスキルの欄は空欄になり二度と使えなくなる。「忘却の弾丸」に似る。
スターピース ライフを3ポイント回復する。 発動に成功した場合APが尽きるまで発動を繰り返す。「サンダー」の回復版みたいな。
賢者の石 使用者のライフを回復。威力はセット中の光属性スキルの数×3。
珊瑚の王冠 使用者のライフを13-16回復。 対戦相手よりもライフの値が高い時のみ発動可能。いわば「負けにくい」スキル。「吹雪の剣」「雷鳴の剣」の逆バージョンだともいえる。
ムーンライト 使用者の所持する全てのコマンドスキルのAPを3ポイントUP。 初期所持スキルのひとつ。
シャッフル 対象者のコマンドスキルの順番をランダムで入れ替える。 自分にも敵にも使える。両方同時には使えない。
「メガトンハンマー」や「ファイアブラスト」などと併用するのが常道。
走馬灯 使用者と対戦相手の10段目のコマンドスキルを入れ替える。 「トロイの木馬」や「七星陣」などを送り付けるのに使う。
奪魂 1ダメージを与える。対戦相手のライフの最大値は現時点のライフの値に変更する。 たとえば相手がHP50のときに使用すると、HPは49に減り最大HPも49にまで減る、ということ。回復しようにも出来ない罠。
マトリョーシカ 全ての【オート・アビリティ】は「マトリョーシカ」になる。 要するに【オート・アビリティ】が消えてなくなるということ。なお敵味方は関係なく効果がある。
ディスペル 対戦相手が所持する【オート・アビリティ】をランダムでひとつ破壊する。
精霊石 全てのスキルのAPを2倍にする。 敵味方関係なく2倍。
黄昏の宝珠 全てのスキルのAPを2にする。 敵味方関係なし。「隕石」と併用すると吉。
サルベージ 最後に破壊されたスキルのコピーをコマンド枠の空欄全てに配置する。 「ディスペル」対策として使える。
テンペスト 全員のライフを1にする。 「命綱」や各種属性無効を併用すると一気に勝てる可能性がある。

使用BGM[編集]

  • 神樹』(H/MIX GALLERY)


脚注[編集]

  1. 本人も2010年8月11日のブログにおいて「察しの通り、クラインポットの迷宮は、トレーディングカードゲームを意識して作りました。」と語っている。
  2. そのため、全スキルをコンプリートするには、相当のプレイ時間を要する。

関連項目[編集]

  • 戦闘破壊学園ダンゲロス』 - ボードゲーム。本作のゲーム性にハマった人なら、この作品もきっと面白いと感じるはず。

外部リンク[編集]