オーバートルク
オーバートルクとは、締め付けトルクの規定値を越えた力で部品を締め付けることである。
概要[編集]
部品同士をボルトなどで固定する場合、例えば自動車にホイールを組み付ける場合、自動車側のハブボルトにホイールの穴を通し、ホイールナットで締め付けて固定するのが一般的である。この時にホイールを固定しているのは軸力といい、ホイールナットを締め付けていくことでハブボルトがホイールナット側に引き込まれ、元に戻ろうとする力のことである。締め付ける力だけで固定するわけではないという事である。
この状態において、過度な締め付けトルク(を掛けた場合どうなるかというと、ボルトのネジが変形し、適切な軸力を発揮できなくなる可能性が想定される。この過度な締め付けトルクこそがオーバートルクである。
影響[編集]
オーバートルクによって引き起こされる影響はネジ山の損傷やボルトの変形(伸び)など、直接的な損傷だけでなく、ボルトが伸び切って軸力が失われた状態であればナットや部品の脱落につながることもある危険なものが多い。
対策[編集]
適切な締め付けトルク管理を行うことに尽きる。軸力を以て管理することも不可能ではないが、トルク管理以上の技術とコストがかかるため、トルク管理で十分な軸力を発揮できるように締め付けトルクが指定されているからである。
メーカー指定の締め付けトルクがあれば素直に従うことが重要である。誤植でもない限りそれが適切な軸力を発揮するために必要なトルクだからである。メーカー指定のトルクじゃ不安だからより大きなトルクを掛けようとするのはオーバートルクの原因であり、危険な行為であることに注意が必要である。
トルク管理にはトルクレンチの使用が推奨されている。規定トルクになった場合にラチェットが動作してトルクがわかるものや、メーターなどでトルクを直読みするタイプのものが販売されている。