エロバナー現象
エロバナー現象とは、スマートフォン用アプリケーション(主にゲーム)の広告において、女性キャラクターによる扇情的な要素を盛り込んだバナー広告が、やけに多く打たれる現象のこと。ゲーム広告における目標設定上の問題によって生じる現象であり、経営上の失敗のひとつである。
概要[編集]
スマートフォン用ゲームのビジネスモデルは、ゲームのプレイは基本的に無料であり、より有利に進行するためのアイテムを有償で販売する、F2Pモデルを採用することが多い。これは、従来の専用ハード用ゲームに見られる売り切りモデル(ゲームソフトを入手する際に金銭を支払い、以降に都度課金が存在しない)やオンラインゲームに見られる定額課金モデル(月額料金を支払い利用権を得る)とは全く違った収益モデルである。
この場合、ゲームの営業は、魅力的なゲーム内アイテムを設定し販売数を高めることと、より多くのユーザーを獲得することで潜在的アイテム購入顧客を増やすことが肝要となる。このうち後者のユーザー獲得には、様々な方法で広告を出稿する手法が多く採用される。
広告出稿時は、より多くのユーザーを獲得するために、ユーザー1人獲得あたりの必要コストである「CPA (Cost per Acquisition)」という指標がよく用いられる。つまり、ゲームがより魅力的に見える広告を出稿することで、CPA上より効率的なユーザー獲得が可能となる。
このとき、エロという単純かつ本能的な訴求を行えるエロバナーは、ユーザー獲得率が高く、CPA指標において好成績を収める。これにより、よりエロいバナーを出稿すればより多くのユーザーを流入させ、経営陣に喜ばれることとなり、巷はエロバナーで溢れるのであった。
エロバナーの問題[編集]
エロバナー出稿により獲得したユーザーは、ほとんどが16歳前後の男性に偏っており、つまり可処分所得の少ないユーザーを獲得していることが指摘されている。つまり、収益率の悪い層に偏っており、CPAを重視するあまり、営業上の寄与が希薄となっていた。
また、あまりにもゲームの本題とかけ離れたエロバナーは、想定したゲーム内容との大きな乖離をユーザーに印象付けるだけでなく、本来であれば定着ユーザーとなり得た層へのリーチが出来なくなる、等の問題も存在する。
あと単純に人前で見たくない
出典[編集]
- スマホマーケットの概要と、マーケティングの失敗例と改善 (アナリティクス アソシエーション 特別セミナー) Tokoroten Nakayama on SlideShare.net, 2014/6/25