イ良い日ン マ
イ良い日ン マとは、2018年頃にAmazon.co.jpで販売された容量を偽装しているSDカードの商品名、およびそれに関する一連の騒動である[1]。
その他の商品名で販売された同様の手口の商品についても解説する。
概要[編集]
2018年頃、大手ECサイトAmazon.co.jpで「イ良い日ン マ」「アググン」「イセンスドス デ」「ハララプレス」「スアグドデ」「TanDisk」などの商品名を掲げるSDメモリーカードが発売されていることが確認された[2]。容量は128GB,256GB,512GBといった大容量のものが多く、規格上はSDXCカードでなくてはならないが、SDHCのロゴが表示されている。価格は1000~3000円程度と、当時の相場より安いものが多い。商品はAmazonのマーケットプレイスを利用してAmazonではない第三者が出品していたものだった。
問題点[編集]
これらのSDカードは、実際には8~16GB程度のフラッシュメモリしか搭載しておらず、コンピュータ上での空き容量表示を実際より多く見せるように偽装されている。[3]そのため、例えば128GBとして販売されているカード(実際は8GBしかない)に60GBのデータを書き込んだ場合、エラーが出て書き込めないかデータの一部が破損するなどということが起こる。これの悪質なところは、データを少しづつ増やしていく使い方をしているユーザーの場合、8GBを超えるまでの間は正常に見えるため、騙されていることに気が付かない。価格も相場より安いため、知識のない者は安いことにつられて購入してしまう。このような商品は明らかな詐欺であり、表示上だけ大容量だが実際の容量は少ないという不利益を説明していないために消費者契約法の「不利益事項の不告知」[4]に該当する可能性もある。その場合、販売者は何かしらの制裁を受けることになる。
対処[編集]
このようなSDカードを購入してしまった場合、まずは販売しているサイトのコールセンターに連絡し、容量が足りないことを説明して返金対応などを求めるとよい。容量が偽装されているのかどうかを確認するには、h2testwなどの専用のソフトウェアを用いて確認するか、カードの容量いっぱいまで動画データなどを書き込んですべてのデータが壊れていないか確認することが有効である。もし書き込んだ動画データの一部が欠損していて再生できなくなっていたら容量が偽装されている可能性が高い。容量が足りなくてもエラーが出ずに書き込めたように見えることもあるため、実際に再生してみることが重要である。これらは容量が偽装されていることの大きな証拠になる。もし販売しているサイトが対応しない、対応に満足できない場合は国民生活センターなどの信頼できる政府機関などに相談してトラブルの解決を求めるとよい。購入してしまった消費者が何もしない(泣き寝入りする)と、このような商品を販売する業者に歯止めがかからず、他に被害者を増やすことにもつながってしまう。
出典[編集]
- ↑ “「イ良い日ン マ」「イセンスドス デ」「アググン」怪しい日本語のSDメモリーカード がAmazonにて販売(世永玲生) - Engadget 日本版”. Engadget JP. 2020年8月5日時点のオリジナル(リンク切れ)よりアーカイブ。2022年1月4日確認。
- ↑ “「イ良い日ン マ」「イセンスドス デ」 暗号みたいな名前のSDカードがAmazonに 怪しすぎてじわじわくる” (日本語). ねとらぼ. 2021年12月24日確認。
- ↑ (日本語) 256GBの中華製MicroSDカード、容量詐欺でした(T-T) 2021年12月24日閲覧。
- ↑ “不利益事実の不告知(消費者契約法4条2項)とは|不動産売買の法律アドバイス|三井住友トラスト不動産”. smtrc.jp. 2021年12月24日確認。