アゾンインターナショナル
株式会社アゾンインターナショナルとは、ドールやその衣装などの製造・販売を行っている日本の企業である。神奈川県藤沢市に本社があり、藤沢市のふるさと納税お礼品として同社のドールやドール衣装が用意されている。ドールオーナーなどの間では単にアゾンと呼ばれることが多い。
概要[編集]
もともとは人形とは関係のない業種で1988年に創業しており、人形用の衣装に参入したのは1990年代末期といわれている。2000年にはその衣装のモデル用ドールとしてオリジナルドールである「サアラ」が製作され、ごく少数が製作されて販売された。このサアラを契機にアゾンオリジナルドールの販売を本格的に開始するようになり、2005年には1/6ドールである「えっくす☆きゅーと」と同シリーズに使用されている新開発した素体の「ピュアニーモ」を販売し、ドールメーカーとしての地位を確たるものとしている。
なお、オリジナルドールの製造・販売以外にも海外ドールやその用品の輸入も行っており、アメリカのファッションドールであるIntegrity Toys社製のドールの代理店にもなっている。
特徴[編集]
アゾンオリジナルドールはサイズ展開が豊富であり、10cm前後の1/12サイズから50cm級の1/3ドールまでシリーズを展開している。同一のシリーズでも複数のスケールにまたがって展開していることもあり(一部のシリーズに限る)、豊富な選択肢が用意されている。
オリジナルドールの場合はそれぞれのキャラクター設定がなされていることが多い。もっとも、ドールオーナーがその設定を受け入れるかどうかは自由であり、設定に従ってコーディネイトしたりシチュエーションを構成するオーナーもいれば自分の好みにコーディネイトしたりするオーナーもいる。
アゾンは1/6サイズの展開も多く、植毛ヘッドとプリントアイによりお手入れが比較的容易であるため初心者向けドールとしておすすめされることも多い。また、同サイズにおけるキャラクターコラボも多い。
ドールとしては比較的安価であり、上記の手入れのしやすさからドール沼への第一歩として勧められることも多いメーカーである。一方でその価格からついつい増やしがちであるともいわれており、気が付いたらドールが増えて貯金の桁が減ったなんてことも。
シリーズ[編集]
- サアラズ・ア・ラ・モード
- 2000年に製作されたアゾン初のドールであるサアラの新しいモデルとして展開されているシリーズである。2010年に展開が始まり、2020年にはサアラ20周年を記念してドールアイ仕様のサアラが発売されるなど、アゾンによる愛らしさと癒しの極致を目指したドールである。
- えっくす☆きゅーと
- 2005年の登場から2023年現在に至るまで継続して販売されているシリーズである。基本的に1/6サイズのドールであるが、ピコえっくす☆きゅーととして1/12サイズのドールも展開されている。主軸となるキャラクターは7人であるが、その家族や取り巻く人である「えっくす☆きゅーとファミリー」として14人、計21人のキャラクターによるシリーズである。なお、それぞれ限定版やフェイスパターン違い、髪色違い、セット違いなどが多数販売されており、同じキャラクターでも全く違って見えるキャラクターもいたりする。数々のオーナーをドール沼に引きずり込んできた実績がある。
- アサルトリリィ
- 2013年から1/12アクションドールシリーズとして展開され、2019年にはメディアミックス企画がブシロードの参画により始動。アニメやゲームなど手広く展開されている。
- ウィッグではなくフィギュアのような髪となっているのも特徴。ドールとして、アクションフィギュアとドールの融合を謳っているシリーズでもある。
- Alvastaria
- スチームパンクな世界観をイメージしたシリーズ。1/6のピュアニーモを利用したキャラクターが主軸であるが、一部1/12のピコニーモを使用しているキャラクターもいる。
- アイリスコレクト
- ドールアイを用いた1/3スケールのドールによるシリーズである。50cmサイズのAZO2ボディ(オビツボディ)を使用しており、引き込まれるような瞳の美しさを堪能できる。なお、45cmボディを利用したアイリスコレクトプチというシリーズも展開している。
- ルミナス*ストリート
- 1/6サイズのドールであり、現在のところ1人のキャラクターが3つのバリエーションで発売されてきた。アイプリントの質もよく、ぱっと見ドールアイにも見えなくない完成度である。設定画も非常にかわいらしいものであり、ぜひ継続してほしいが...
- シュガーカップス
- 1/12サイズのピコニーモPボディを初採用したドールであり、1/12サイズでありながらドールアイ仕様となっている。キャラクターの名前やデザインはお菓子がモチーフになっており、全体的に甘ロリ的なファッションである。とっても甘い雰囲気のシリーズである。
- エレン
- 1/3サイズのドールであり、レトロな雰囲気の世界観を持ったドールである。アイプリントと植毛ヘッドを利用しており、アイプリントながらどこか引き込まれるような表情を持っている。
- 余談ではあるが、2017年には進撃の巨人のエレン・イェーガーのドールが同社から販売されており、「アゾンのエレン」といった場合にどちらを指すのか分かりにくくなったことがある。
- リリア/ブラックレイブン
- オビツ48cmボディを使用したドールであり、1/3~1/4サイズとしては珍しいプリントアイ・植毛ヘッドのドールである。「退魔師」をイメージしたキャラクターと世界観になっており、商品によっては銃などの武器が付属することもある。なお、日本の退魔師として巫女モチーフのキャラクターも設定されている。
- アサルトリリィのようにPVCヘッドの1/12スケールのドールも展開されており、銃や剣、鎌や杖など、スケールダウンしたことで武装も豊富になった。
- ハピネスクローバー
- AZO2ボディを使用したドールであり、アイプリントでウィッグタイプのヘッドとなっている。「わくわくをお届けしてちょっぴりハッピーな毎日に」をコンセプトとしている。ドールサイズのスマートフォンやイヤホンなど、小物も非常に豊富でうれしいシリーズでもある。イラストレーターである和遥キナとのコラボモデルもある。
- からふるDreamin
- ドールの枠を飛び越え、デジタルとドールの融合を果たした新しいVtuberであるD-tuberとして情報発信などを展開していくコンテンツである。2023年現在は三人のキャラクターが登場しており、ドールとしても販売されている。江ノ島電鉄開業120周年を記念したコラボドールも販売されており、駅長制服のほか、検車区の作業服と帽子、安全ヘルメット、安全靴がセットになった検車区作業服モデルのドールが販売されている。
- ミミーガーデン博物誌
- アサルトリリィと同様にアゾンと創作集団acusにより展開されるシリーズである。1/12サイズであるが、リルフェアリーのようにピコニーモDボディを使用しており、デフォルメされた体系のドールである。ヘッドはPVCヘッドが採用されている。なお、ニパ子が世界観に合わせたうえでラインナップされている。なお、ニパ子自体は1/3サイズでも販売されたこともある。
- キャラクタードール
- アニメなどのキャラクターを1/3から1/12サイズまでのドールとして再現したシリーズであり、数多くのキャラクターが販売されてきた。なお、基本的にアイプリントと植毛ヘッドであり、キャラクターによっては賛否両論な出来になることもある。近年はドールアイを使用するモデルも販売されていたり、アサルトリリィシリーズを逆輸入してピュアニーモボディで出すなど表現の幅が広がりつつある。