こどもの城
こどもの城とは、かつて東京・渋谷の青山通り(国道246号)沿いに所在した児童の健全な育成を目的として建設された施設である。正式名称は国立総合児童センター。
概要[編集]
厚生労働省が整備し「こどもの城」の経営や児童手当制度の充実、発展に協力することを目的として発足した公益財団法人児童育成協会が運営していた。 最新式の演劇施設や歌の素晴らしさを伝える、少年少女が主催の「こどもの城合唱団」も参加していた。
勤務状態[編集]
勤務状態としては80年代当時の働き方であったため、団体職員は週6・8時間勤務が当たり前となっていた。90年代後半になると、他の会社などは週2日休みになるが、当施設では月曜日のみ休館日となり、週1休みのままだった。祝日も休館日に含まれたが、その働き方が開館の1985年から閉館まで約30年間も続いた。
閉館決定からその後の活用[編集]
2012年秋、厚生労働省が今後のこどもの城の耐震工事費用を見積もった計算上、100億以上かかり老朽化のため、これ以上維持するのは難しいと判断し、閉館を下した(以前に、一部改修工事済みである所もあった)。政府の中には民営化する案も出されたが却下され、法改正により国ではなく地方自治体が運営することが決まり、この四半世紀にて他の児童館の整備が整ったことから閉館という流れになった。 その後の活用では当時、救急病院を移転する計画であったが、反発が起き、いったん白紙となり、東京都が「都民の城」として活用予定だったが、2020年の新型コロナウイルスによりスケジュールが遅れ、さらには100億以上かけ、6年間のみの使用では採算が合わないとして、再利用は中止となり、再開発に舵を切ることになった。
こどもの城の勤務形態[編集]
- 年間休日:84日(週6、業務委託のため労働時間の制限なし。週1休み、祝日を入れた休日日数。)
かつて行われていた勤務形態。子供のプログラムの提供や書籍発行など、多岐にわたって仕事が行われていた。団体職員であったため、資格は不要だった。財団法人であったが、事業に関しての納期や業務ごとのノルマ、週6勤務が多くの職員に義務付けられていた反面、民営大学の様に泊まり込みと民営会社の様なノルマ未達成の場合のペナルティーなどは無った反面、こどもの城自体が業務委託だったため、労働時間基準法が適用されず、労働時間の制限は無かった。
- 有給休暇:業務委託のためなし
- シフト制
- 平均年収380万(これは財団法人の平均年収。年功序列により上がっていく仕組みだった。)
下記に例として、他職の勤務形態を記す。
- 情報通信業の勤務形態
- 年間休日:118.8日
- 有給休暇:あり
- 平均年収:1498万
情報の伝達を行う事業所や情報の処理、提供などのサービスを行う事業所をいう。 また、インターネットに付随したサービスを提供する事業所、情報を加工する事業所も含まれる。 情報の伝達を行う事業所では、映像、音声、文字等の情報を伝達したり、それを伝達するための手段の設置や運用を行ったりする。
- 民営大学の勤務形態
民営大学は主に週4コマ授業を教授が行い、他の時間帯ではレポートも書く。週3日休み。中には会議や打ち合わせも休みの日にやることもある。ノルマが無いため、基本的に業務量は多くなく、比較的安定した職業である。研究に熱心な教授もいれば、研究室にてマイペースで研究をする教授もいる。ただし、資格を取らないと大学教授にはなれないため、取得する勉強が必要となる。また、成果を出さなければいけないため、ある程度の根性と覚悟は必要である。年度によってはかなり激務な年もあり、泊まり込みも多くみられる。稀に週末出勤もある大学もある。
- 平均年間休日:180日(カレンダー通りと春/夏/冬の長期休暇を入れた、泊まり込み・多忙期、週末出勤が無い場合の日数。実際には120日や130日の大学もある。)
2000年代までは、泊まり込み、多忙期、週末出勤が無かったため、上記の通り休め、比較的穏やかであったが、2010年代に入り、業務の負荷の増加により実際には少なめの大学も出ている。
- 有給休暇:あり
- 平均年収:1000万(定年前の教授の金額。60歳を過ぎると減額される。)
- サラリーマンの勤務状態
- 年間休日:120日(週5勤務、週2休み)
サラリーマンは、主に会社に勤め、やるべき事をこなす職業。基本的にはデスクワークが多い。休日は通常の会社と同じ休日日数。
- 平均年収:461万(2023年時点)
- 宿泊業、飲食サービス業の勤務形態
- 年間休日:97.1日
- 有給休暇:あり
- 平均年収
- 宿泊業
- 600万
- 飲食サービス業
- 340万
宿泊業は、旅館業法に基づく営業許可を得て、宿泊料を受けて人を施設に宿泊させる事業であり、同法が 定める施設設備基準に応じて、旅館・ホテル、民宿、簡易宿所、下宿業に分類されている。 宿泊業のうち、 施設数、客室数規模が最も大きいのは、旅館・ホテルである。 2つ目の飲食サービス業は、客の注文に応じて調理した料理を提供する事業所のこと。 その場で提供するケース以外に、客の指定する場所まで届けるケースも該当する。 例えば、旅館やホテル、ペンション、ユースホステル、レストランやカフェ、宅配ピザ屋などが該当する。 このほか、キャバレーやナイトクラブなども含まれる。
- 映像クリエイター業
- 年間休日:120日
- 有給休暇:プロジェクトの時期による
- 平均年収451万
主にテレビ局の映像編集の仕事をする職種。年間休日は他の民営会社と同じであるが、納期が迫ると、週末を返上して業務に取り掛かる。プロジェクトの区切りがついた後には比較的ゆとりがある部署も多い。
総括[編集]
こどもの城の閉館は急遽決まり、国会議員も困惑したという。国会にて共産党では厚生労働省に対し「閉館の理由が納得できない。半年前に改修工事したばかりなのに、何故、老朽化というので閉館するのか」とコメント。自民党でも「今となっては貴重な子供の遊び場。2010年の計画には近い将来、民営化をして存続させる約束だったじゃないですか。老朽化したのであれば民間会社に移行した後も国が補助金を出した上での改修工事は可能ですし、国鉄みたいに財務状況は悪化しておらず、むしろ国営のままでも維持可能です。まだ設立から27年ですよ、27年(2012年当時)。大規模修繕工事費用の100憶は出せないという理由は納得いきません。比較的新しい施設なのに何故、閉館という決定を下したのでしょうか。説明をお願い致します。」と質疑応答をした。厚生労働省は「民主党政権にて、先週、子供政策において、国からの補助金が出せなくなり、各自治体にて運営をお願いする方針となりました。そのため、苦渋の決断でありますが、こどもの城の閉館を決めました。これには、27年前よりも、各子供施設の設備が充実していることや、国立での役目は終えたという意味からの判断です。ご了承ください。」とコメントを残した。その上で自民党は「補助金が出せなくなるなら、税金で賄うことは可能です。こどもの城が閉館したら、子供達の遊び場はどうなるんですか。これは理不尽過ぎますよ!」と反論をした。事実上、こどもの城は2010年には存在する方針を国が固めていたが、2012年夏の法改正により、閉館することになった流れとなった。何故、急遽閉館することになったのかの真相は、閉館する1か月前に他の休日日数を政府が調査した所、こどもの城が圧倒的に少ないことが判明した上で業務委託だったため、労働基準法上が適用されず、労働時間の制限が無かったことも問題視された。そのため、中には過労死にいくのではないかという意見も浮上したことから、こどもの城自体がブラック企業体質であることが判明したため、閉館を決めたのが本当の真実である。
こどもの城自体の働き方改革は出来なかったのか[編集]
こどもの城は、80年代当時の働き方だったため、しかも有給休暇もない状態であった。2010年当時に、存続を決めていた理由として『我が国の子供の設備を充実させるために、存続とする』という閣議決定を行っていたが、当時、現在の様に働き方改革はまだ浸透していなかった時代でもあった。また、業務委託という仕事形態が次第に団体職員に負荷をかける仕組みとなっていた。その時、政府は労働環境まで問題視していなく、大丈夫だろうという認識だった。しかし、2012年の調査により、他の会社よりも、休日日数が少なかったことなどを踏まえ、 閉館に至った。
もしこどもの城が民営化していたら[編集]
2010年の会議の中で、国立こどもの城を近い将来民営化し、『民営こどもの城』の案が存在した。それによると、施設内に商業設備を導入し、カフェやコンビニなどの利用者にとっての利便性向上を図り、政府が株式を100%保有する特殊会社に移行するという形だった。そして2020年までに完全民営化を果たし、完全に民間の経営に任せる計画であった、しかし、プログラム提供や書籍発行などの非営利性をもつ2つに関して、商業ベースでは難しいことや、仮にノルマが課せられる懸念と財団法人の解散問題が浮かび上がった。そのため民営化法案は否決される形となった。また、その国立こどもの城を経営していた財団法人は2015年の閉館と共に解散となっている。