がんゲノム検査

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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がんゲノム検査(がんゲノムけんさ)とは、がん患者からがん組織血液などを採取して解析することで、がんの原因となっている遺伝子変異を特定する検査のことである。遺伝子を高速で読みとる機器である次世代シーゲンサーの発達で検査が手軽にできるようになった。変異が特定できた場合、分子標的薬と呼ばれる薬でがんを狙い撃ちして攻撃する。ただしこうした方法で最適な分子標的薬が見つかり、治療に入れる患者は1割から2割に留まるとされている。

また癌における標準治療が無いか、効かなくなった患者を対象にして、採取された癌組織を用いて多数の遺伝子を一度に解析する「遺伝子パネル検査」で合う薬があるかどうかを調べる。遺伝子変異が見つかり、効果が期待できる薬があれば、病院の専門家会議で使用を検討し、主治医を通じて患者に提案する。選択肢が限られた患者にとって、再び治療が受けられる可能性が広がるのだが、その半面で多額の費用と多くの時間を要することになり、仮に薬が見つかっても治療にたどり着ける割合は10パーセントから15パーセント程度とごく少数である(がんゲノム医療)。