おさん (太宰治)
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概要[編集]
女性独白もの。『ヴィヨンの妻』と同じく妻の視点から語る形式。
作中に出てくる百日紅(さるすべり)は太宰治の家から隣の井心亭に移植されている。
全集9巻・新潮文庫『ヴィヨンの妻』・角川書店『女生徒』・岩波文庫『斜陽他一遍』ちくま文庫全集9収録。
あらすじ[編集]
罹災・敗戦・事業が失敗した夫について妻が語る。夫はたましいが抜けたよう。夫は外に泊まりに行くことが増え不倫をしている。妻は悲しく苦しむがもっと気楽になってほしいと思う。ある日夫は旅に出て諏訪湖で相手の女性と心中する。革命を気取った夫の遺書の呆れかえった馬鹿々々しさしさに妻は悲しみとか怒りとかいう思いよりも、身悶えした。
解説[編集]
夫を救済し得る妻の可能性に読むもの、夫婦の対立に目を向ける読み方、妻の形象そのものを大写しにして読みを構成するものがある。
参考[編集]
- 『太宰治 全作品研究辞典』勉誠社