あみだくじ
あみだくじ(漢: 阿弥陀籤)とは、仏像である阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)における後光・光背の表現をもとにして生まれた籤(くじ)のこと。
概要[編集]
あみだくじは、複数の縦線を等間隔に引いて間に何本かの横線を繋ぎ、縦線の上から下までを線づたいに移動することで最初選択した線から別の線へ移動するもの(あみだくじの例を参照)。この時、上から下へ抜ける際の上下の対応が、複数本引かれた横線によって複雑化し、上で選んだ縦線とは異なる線へたどり着くことが多いためくじ引きのような効果をもたらす。
ただし、横線の引き方によっては上で選んだ線と下へ抜ける際の線が同じになることもある。また、間に横線が繋がっていない縦線がある場合は、その位置で別のあみだくじと分かれているのと同じになる。
もともとは室町時代より生まれ、一枚の紙の中央にお茶菓子をおいて、その周囲に放射状の直線を人数分描き、更にそれを取り囲むように同心円の横線を複数引いて、紙の外側からお茶菓子へ向かってなぞることでそれぞれのお茶菓子を取り分けることに使っていた。それがちょうど、阿弥陀如来の後光に似ているというわけである(写真参照)。
その後時代とともに、円形から四角形へと変化し、簡易的なくじ引きの代わりとして用いるようになった。
くじ引きの代わりとして用いる場合、「間の経路を隠したり、ゴール側の選択肢を隠したりする」ことで、最初からどの線がどこへ繋がっているのか分からないようにする方が一般的である。
仕組み[編集]
あみだくじで下に抜ける線が絶対に重ならない仕組みは、簡単に説明することができる。
上で選んだ線は、横線がなければ縦線を下にまっすぐ進み、ゴール側と1対1で対応する。横線のあるところでは、線で結ばれた2つの縦線どうしが入れ替わるが、この場合でも1対1の対応関係が崩れることはない。つまり、横線1本ごとに2つの縦線を入れ替える単純作業を何度も繰り返しているだけなのである。
逆に言えば、「右にも左にも行ける横線」があったり「下から上に戻る」などの行為があれば、この1対1対応が簡単に崩れてしまい、あみだくじとして成立しないことになる。