Wii2HDMI
Wii2HDMIとは、任天堂のWiiをHDMI出力に対応させる変換アダプタである。[1] 中国の様々な工場で生産されていると見られるが、多くはノーブランドである。
概要[編集]
Wiiは標準でHDMIに対応していない。テレビとの接続には任天堂独自のAVマルチ端子のようなものからコンポーネント端子やコンポジット端子、音声のRCAコネクタに変換するケーブル(任天堂純正)を使用する。そのためHDMI端子のないテレビには接続することができない。しかし、Wii2HDMIを使用することにより、HDMIしか無いテレビに接続できるようになる。また、音声用の3.5mmジャックもついており、パソコンのモニタなどで音声が別で必要な場合にも対応できる。ただし非公式の製品となるためそれが原因となった故障は任天堂では保証されないが、使用すること自体は何ら問題はない。
原理[編集]
WiiのAV端子は、独自規格の信号が流れているわけではなく、普通のコンポーネント映像信号、コンポジット映像信号、ステレオ音声(アナログ)、直流電源が流れている。そのためこれらの信号をデジタル化してHDMI端子に流してしまえばいいわけである。その変換をするためにWii2HDMIにはMS9288A[2] という多機能なビデオ処理用ICが搭載されている。MS9288Aの主要な機能には、アナログビデオ入力、ステレオオーディオ入力、HDMIトランスミッター、HDCP、I2Cなどがある。そのためWii2HDMIにはこのチップと、ICに電源を供給する3端子レギュレータ、水晶発振子、いくつかのチップ抵抗、チップコンデンサなどしか搭載されていない。
画質[編集]
画質はWiiの480p/iのコンポーネント映像信号をHDMIに変換しているためHDMIだからといって極端に画質が向上するわけではない。1080pや720pと表記されていることがあるが、実際にはアップコンバートには対応していない製品がほとんど(Wii Uに繋げば1080pの出力も可能だが、そもそも最初からHDMIを搭載しているため不要である)。あくまでもこの機器はHDMIしかないテレビやパソコンのディスプレイでWiiを遊びたい、コンポジットとHDMIしか無いテレビで画質を向上させるという需要に応えるものであり、D端子などがあるテレビでコンポジットよりも高画質で遊ぶだけならD端子に接続するケーブルを買ったほうが安上がりなことが多い。
他に変換アダプタなどを使用しない場合は、良いものからコンポーネント(RCA)、D端子、Wii2HDMI、S端子、コンポジットの順で画質は良くなる。
購入[編集]
主に国内ではAmazonや楽天などで2000~5000円前後で購入できる。HDMIケーブルは明記されていない限り別売りが多い。中国のショッピングサイトから個人輸入すればもっと安いことも多い。
出典[編集]
- ↑ “旧世代ゲーム機の接続環境を考える Wii編 – Wii2HDMI Converter – |” (日本語). naokit.info (2019年11月26日). 2021年3月10日確認。
- ↑ “Semiconductor integrated circuit,analog digital,audio and video signal processing - macrosilicon.com - Products - Chips - MS9288A”. en.macrosilicon.com. 2021年3月10日確認。