VICE
VICE（ヴァイス）は、芸術、文化、およびニュースのトピックに焦点を当てたカナダ・アメリカの雑誌デジタルメディア。 1994年にカナダのケベック州モントリオールに創設。その後、雑誌、ウェブサイト、放送ニュースユニット、映画制作会社、レコードレーベル、出版出版物などの部門からなるVice Mediaを立ち上げた。 2018年2月現在、この雑誌の編集長はエリス・ジョーンズ。
世界2.8億人を抱える巨大メディアである。年商1200億円、企業価値は約57億ドル（約6350億円）とされる。
概要[編集]
若者の文化を音楽、ファッション、ライフスタイル、ニュース、政治、料理など様々な領域を若者のカルチャーで切り口を入れている。
既存のメディアはあらゆる事象をカバーしようとし、世界中に行って、各地の話題を全部扱いたいと考える。だが、その結果すべてが表面的で退屈にまとめられてしまう。対して、VICE Newsは「俺たちは何を知りたいのか」という観点を大切にしている。そのテーマを伝えるうえで何を語りたいのかということを考え尽くしている。加えて、一つのニュースを作る際に時間的な制約を置かず、語るべきことを語るために必要な時間をかけている。
歴史[編集]
1994年に政府資金によるVoice of Montrealとしてカナダのモントリオールで発足し、仕事と地域社会のサービスを提供することだった[。 編集者が後に元の出版社Alix Laurentとの提携を解消しようとしたとき買収し、1996年にその名前をViceに変更した。
1994年の創業当時はパンクやドラッグなどのコンテンツを載せたフリーペーパーに過ぎなかったが、今では国際問題や社会問題、音楽、フード、スポーツ、カルチャーなど世界中のニュースをウェブやテレビで配信する複合メディア企業になった。
2000年頃にオンラインに進出したことで、100万人程度だった定期購読者が瞬く間に1000万人まで広がった。
2006年「バグダッドのヘビーメタル」という15分のビデオ映像を撮影した。メタリカやスレイヤーをコピーして演奏するバグダッドのバンドに焦点を当てたドキュメンタリーだった。当時バグダッドは戦争の影響で荒れ果ており、一方の米国も、若者は長らく続くイラクとの戦争に嫌気がさしていた。そういう時期に、イラクの若者の視点で米国文化への憧れを描いた。のちにこれは映画となりいくつもの映画祭に出展され、世界中のテレビ局によって映像が配信された。この経験を通して、大きな制作会社が大勢のクルーを引き連れて映画を作るという以外のやり方で、面白いテーマと切り口でそれ以上のモノが作れるということを身をもって学ぶ。
2012年にYouTubeとパートナーシップを結んだ。YouTubeを最もうまく使った企業と言われている。
HBOの「VICE on HBO」はテレビのグラミー賞といわれるエミー賞を受賞した。
VICE Newsは2014年にローンチした。
2017年、4億5000万ドル（約500億円）の資金調達を行った。