Tピット
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Tピット(ティーピット)は、獣や小動物を捕まえるために掘った罠(わな)、陥し穴のことを指す考古学用語。“T”はtrapの意。
ひじょうに深く溝状に掘られたり、逆茂木(さかもぎ)を穴の底に立てたりして、獲物が動けないように工夫したものが多い。溝状のTピットは、縄文時代早期から晩期までつくられる。それぞれ、まとまって複数並んで列をなすことが多く、このことは集団でシカやイノシシを追い込んで穴に落とし、捕獲したことをあらわすものと考えられる。概して遺物をともなわないケースが多い。このような大がかりな狩猟、しかも待ち伏せ狩猟がおこなわれたことは、早期以降の縄文時代が本格的な定住生活のおこなわれた時代であったことを傍証している。