RFC 1149
RFC 1149とは、1990年にIETFが公開したRFCの一つであり、IPを利用したデータの送信規格である。直接関連する文書にRFC 2549とRFC 6214が存在しており、RFC 2549はRFC1149に対するQoSを規定しており、RFC 6214においてはIPv6への対応などが示されている。
特徴[編集]
RFC 1149は以下のような特徴を兼ね備えた先進的な通信規格である。
- 干渉が発生しにくい無線通信である(特定の時期を除く)。
- データ衝突回避システムを内包している。
- ワームを自動検知し、除去する機能が組み込まれている。
- 通信に失敗しても自動再送信されることがある。
- 通信履歴は自動で生成される。
- 低高度でも通信が可能である。
- ブリッジやトンネルの回避が可能である(RFC 2549)。
一方で以下のような脆弱性が指摘されている。
- 高い頻度で遅延が発生し、スループットも低い。
- ストームによるパケット喪失や遅延が発生する可能性が高い。
- MTUが物理的なデータ量に依存する。
- ワームを自動検知するものの、自発的にワームを探すことで遅延が発生する(RFC 2549)。
- ミラーによる迷走の可能性がある(RFC 2549)。
- キャリアとEggのどちらが先行技術であるかについて訴訟が行われている(RFC 2549)。
実績[編集]
2001年にノルウェーにおいて本プロトコルによる伝送実験が行われた。5kmの間に9つのパケットを流した結果、1時間半の伝送時間に4つのパケットを受信できたものの、5つのパケットを喪失するという結果となり、実際の通信のプロトコルには適さないというものだった。
なお、現在大容量のデータ送受信に利用されるスニーカーネットとの関連性が指摘されている。
キャリアについて[編集]
本プロトコルにおける標準キャリアは伝書鳩である。
概要[編集]
RFC 1149、通称「鳥類キャリアによるIPの標準規格」とは、IETFが発表したジョークRFCである。1990年4月1日に公開されたこのRFCは伝書鳩を利用してIPに基づいたデータ通信を行うという規格である。RFC 1149は他のRFC同様のプロトコルに則って記述されており、一見すると普通のRFCに見える文書である。そのため、ワーム(マルウェア/虫)やストーム(ブロードキャストストーム/嵐)など通信用語をあえて日常で使われる言葉として利用しているものが多くみられる。
ジョークRFCとしてはかなり高い知名度を有しており、RFC 2549は真面目にサービス品質を規定しているほか、RFC 6214ではRFC 2460(IPv6についての正式なRFC)前提にIPv6化について述べているほか、RFC 2549で触れられていなかったRFC 2474の利用などにも触れており、真面目に考察をしているものである。
なお、スニーカーネットとの関連性は確かに指摘されているものの、RFC 1149の標準プロトコルは巻物に記したデータであり、電子媒体を取り付けて転送する規格ではない。そのため、2009年の南アフリカで行われた伝書鳩によるデータ転送が同国の通信キャリアを利用した通信より高速であった[1]、というニュースが報じられたが、USBフラッシュメモリを利用したとみられており、本プロトコルによる転送ではない可能性が指摘されている。