Nという山奥

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Nという山奥』は、藍崎万里子の長編小説。

概要[編集]

藍崎万里子は、文藝同人無刀会に所属したのち、しばらく短編小説を書いて同人誌空華に掲載していたが[1]、アマプレベスシリーズを除いて初めて発表した長編小説が、この『Nという山奥』である。

この作品は、第五十五回文藝賞の第三次選考を通過した[2]。また、応募したのちに、文藝同人無刀会発行の「空華第九号」に掲載された[3]

あらすじ[編集]

人間嫌いの洋介は獣医になったが、助手のミスで家畜をころしてしまったので、ますます人間不信に陥り、扱いやすい中卒の直子と打算で結婚して、ともに山奥に自分で小屋を建てて暮らし始めようとする。生計は豚を育てて売ることで得ようとした。なかなか家を建てるのが難しく、豚小屋がさきに出来た。そこで雄と雌を豚飼いの次郎から買ってきて豚の飼育を始めるが、洋介が外出したときに、直子がまずい世話をして殺してしまう。洋介は怒るがまた、気を取り直して一から豚を育て始める。しかし、ある程度増えたと思ったら、山に入ってきた狩猟者の連れてきた猟犬に、豚をすべて食べられてしまう。洋介は、怒り心頭になるが、猟師は酒を持ってくるくらいの謝罪しかしなかった。それでも、洋介は、めげずに豚を育てて、ようやく仕事も軌道に乗る。小屋の周りで農業を始め、合鴨農法や鯉農法を試して、できるだけ化学肥料や農薬を使わないようにする。また、タケノコやキノコ、山菜などを直子がと取ってきて、完全に自給自足を実現する。そのように生活にもなれてきたころ、洋介と直子はともに原因不明の体調不良に襲われる。しかし、人間嫌いゆえになかなか病院に行こうとせず、ますます酷くなるので直子には行かせず自分ひとりだけ、診察に行く。そこで入院を勧められたため、家に荷物を取りに行くと言って逃げ帰ってくると、力尽きて倒れてしまう。そののち、豚飼いの次郎が様子を見に来ると、二人はどこにもおらず、ゴミ企業のトラックが多くやってきて、その洋介の豚飼いの山に、次々とゴミを捨てていく。

登場人物[編集]

  • 洋介 主人公。もと獣医で、直子とともに山奥で生活をする。
  • 直子 洋介の妻。
  • 次郎 村の豚飼い。洋介に豚の種を分ける。

書誌情報[編集]

『Nという山奥』藍崎万里子著、文藝同人無刀会刊、2022,ISBN 9798811045754

引用[編集]

  1. 藍崎万里子 | 文藝同人無刀会のホームページ”. 文藝同人無刀会. 20220920確認。
  2. “選考経過”. 文藝 第57巻第4号: 166. (2018). 
  3. 藍崎万里子 (2019). “Nという山奥”. 空華 第九号: 135.