Cosmo Samurai
『Cosmo Samurai』(コスモサムライ / 宇宙侍)とは、カートゥーンネットワークの放送枠である『TOONAMI』内で放送されたオリジナルアニメ作品である。
作品の管轄としてはカートゥーンネットワークのアダルトスイムにあるTOONAMIの枠で放送されたショートアニメということで、Youtubeのアダルトスイムチャンネルで無料で視聴することが可能となっている。
概要[編集]
アメリカ本国で放送されている『TOONAMI』では、日本のアニメ作品(特にバトルアクションもの)を中心に放送しており、その合間にTOONAMI独自の世界観となる映像が挟まれていた。
其の中でも中心的な存在としてTOMと呼ばれるロボットと、その助手でもあるAIのSARAが作られており、この二人をクローズアップしたオリジナルアニメ作品ということになっている。
以前にも『Cosmo Samurai』の他にもオリジナルアニメ作品は製作されていたのだが、2021年に製作されたこの作品はどこもかしこも日本アニメを意識したものとなっている。
2022年には続編の『Cosmo Samurai 2』が製作されおり、前作同様にYoutubeでも視聴可能となっている。
製作自体はテレコム・アニメーションフィルムが担当、背景にはととにゃん、ストーリープロットそのものがYASUAKI KUROZUと、実は日本のスタッフがこれでもかというぐらい関わっているためである。
(それぞれ2015年以降の『ルパン三世』の製作会社、背景は『エロマンガ先生』の会社、ストーリーは『NARUTO』の人と言えばわかりやすいか)
アニメは全4話構成(1話あたり5分程度)だが、全エピソードにわたり完全に日本語のアニメ作品となっており、声優も日本で活躍する声優が起用されている。(後述)
あらすじ[編集]
Cosmo Samurai[編集]
宇宙で旅をしていたトムとサラが、突然現れた宇宙海賊「アクトウ」の襲撃を受けてしまい、トムは命からがら母船を脱出する。 しかし脱出の際にアクトウからの追撃によって脱出船を損傷し、船と共に爆散して機能停止状態に陥ってしまう。
だが、奇跡的に通りかかった宇宙自警団である「コスモサムライ」の手によってトムは回収され、宇宙で三番目の天才ハカセの手によってトムは復活、そして進化を遂げる。
日本の将軍の子孫でもありアクトウとは一族の仇でもあるツルヒメ、現代の忍者アワジ、勇敢で屈強の武士ヤスケの5人と共に、捕らわれてしまったサラを取り戻すために奮闘する。
Cosmo Samurai 2[編集]
アクトウの本拠地に突入したコスモサムライたちは、ジャアクの圧倒的な力の前に為すすべ無くして敗れてしまい、メンバーは全員死亡、トムのボディもジャアクの意識と共に乗っ取られてしまう。
だが、スペースシップ・コスモに内臓されていたクローン装置と記憶バックアップ装置によって全員復活を遂げることになるが、仮想空間内でツルヒメは壮絶な過去を明かし、トムのボディと共に戦うことを決意。
それを聞いたアワジ、ヤスケも同調し、宇宙で一番の天才となったハカセの手によってまた新たなボディと共に、アクトウのリーダーであるジャアクとの最後の闘いが始まる。
解説?[編集]
ストーリーがやや複雑化しているが、これはタイムトラベルによるタイムパラドックスなどが原因である。 ツルヒメの父親であるエドが殺されたのはジャアクだが、実際はジャアクに洗脳されたトムが殺害しているのである。
トムが存在しなければこうしたことは起きなかったため、ある意味一番の元凶はトムの設計に関係しているハカセの元の人間である物理学者なのかもしれない。
最終的にトムが別で復活し、洗脳されたトムとジャアクを倒しており、トムも過去の世界に来ているため、ツルヒメらの未来が大きく変化することが確定的である。 ハカセもスペースシップ・コスモで同じ時空へ来ている。
キャラクター[編集]
ほとんどの声優はカートゥーンネットワークで放送されている作品に関係している。 参考までに放送された作品は太字で表記する。
TOONAMI[編集]
- トム(CV:小野友樹 『ジョジョの奇妙な冒険』の東方仗助、『炎炎ノ消防隊』の滝義尾瀬、『SHOW BY ROCK!!』のジョウ、『ゆらぎ荘の幽奈さん』の冬空コガラシ)
宇宙を旅しつつ日本のアニメ作品を視聴するロボット。 宇宙海賊「アクトウ」の襲撃によって元のボディが損壊し、追撃によって脱出船と共に爆散して機能停止してしまった不運なロボット。
コスモサムライによって回収された後、トムの深層プログラムにあったボディデータをベースにしたハカセオリジナルの戦闘用ロボットに「転生」し、以前とは比べ物にならない高機能性能を発揮する。
ハカセ仕様のボディ(真ん中のマークもハカセの文字らしきロゴが入っている)では以前と異なり、足につけられた銃や腕にビームサーベルなどのより戦闘に役立つシステムが多数装備されている。
また何故か「目」が表示されるようになり、デザインについても丸っこいものからやや尖ったものへと変化しており、サラ曰く「ちょっとワイルドになった」と評されており、トムも「ちょっとイメチェンをね」と返す場面もある。
『Cosmo Samurai 2』では、コスモサムライと共にアクトウに立ち向かうがジャアクに返り討ちに合うどころか、ボディそのものを乗っ取られてしまい、ゼノンアルファで重力制御を利用した過去へのタイムトラベルでエド大将軍を殺害してしまう羽目になる。
バックアップデータから復活したトムは、コスモサムライらの記憶と共に、ゼノンベータで最後の闘いへ望むことになるが……。
サラとの関係は相棒的なものになっているのだが、恋愛関係にあるのかは謎である。
- サラ(CV:榎吉麻弥 『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の伯方眞妃、『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』のリルピリン、『とある科学の超電磁砲T』の枝垂桜生)
トムと共に宇宙を旅するAI。 宇宙海賊「アクトウ」の襲撃によって囚われてしまった妖精のようなキャラクター。
どうやってアクトウはサラを捕まえたのかは不明だが、最終的にはトムによって救出されることになるが、それ以外は登場することがない。
『Cosmo Samurai 2』では、乗っ取られたトムと共にタイムトラベルに巻き込まれており、それがきっかけでツルヒメと出会うという設定がなされている。 また、彼女はトムのボディを開発した物理学者を探していたことも判明している。
コスモサムライ[編集]
スペースシップ・コスモを母船とした宇宙自警団。 宇宙盗賊や星域外の脅威から守るためにボランティアで活動している戦闘集団であり、アクトウを含めた悪者から戦利品を頂いて生活するバウンティハンターとトレジャーハンターを組み合わせた何かである。
元々はエド大将軍の娘とその将軍の部下として活動していた人物がサラと出会い、物理学者がネコに記憶を移植し現在のメンバーになったんだという。
『Cosmo Samurai 2』では、スペースシップ・コスモに万が一メンバーが死亡した時のためにスペアとなるクローン技術を用いたボディと記憶のバックアップ装置があることが判明している。
判明した死亡回数としては、ツルヒメが86回、ハカセは39回とされており、他メンバーもそれに準じる死亡数と思われる。
ハカセ以外の名前はすべて日本に関係するものが使われている。
- ツルヒメ(CV:優木かな 『ブラッククローバー』のノエル・シルヴァ、『アズールレーン』の雪風、『精霊使いの剣舞』のリンスレット・ローレンフロスト、『ウマ娘プリティーダービー』のスーパークリーク)
我が名刀は父の形見、我が切っ先は敵を刻み悪を滅ぼす……!
日本のショウグン(エド大将軍)の子孫であり、コスモサムライにおける実質的なリーダーであり、紅一点でもある。 一族の仇であるアクトウとは決着をつけるべく、コスモサムライで活動している。
父が残してくれた名刀を使って敵を斬るいわゆる女侍である。 鶴なので鶴紋が使われているのだが、別に日本航空と関係はない。
過去にショウグンの敵討ちとしてアワジやヤスケらと戦っていたが、圧倒的な力と量の前に苦戦し、ついには残り3人にまで追い詰められていた。
絶体絶命の状況下で、洗脳されたトムのタイムトラベルに巻き込まれたサラと奇跡的に出会い、物理学者との出会いでコスモサムライとして活動を開始する。
『Cosmo Samurai 2』の序盤では、ジャアクの力の前に返り討ちに逢ってしまうが、トムのボディに同化したことによってリベンジを果たしている。 またこれによってツルヒメが歩む人生も大幅に変化している。
おそらく名前は「戦国時代にいたとされる伝承上の女性」である鶴姫から来ている。 華麗に敵を倒すその様は『ソードアート・オンライン』のアスナなどを彷彿とさせ、刀を使う美少女はなんとなく『鬼滅の刃』もネタにしてそうである。
- アワジ(CV:沢城千春 『BORUTO-ボルト-』のヒルガ、『遊☆戯☆王VRAINS』の島直樹、『A3!』の摂津万里、『TSUKIPRO THE ANIMATION』の七瀬望)
若者の服装をしておきながら様々な忍術を用いて戦う、現代の忍者。 甲賀なのか伊賀なのかは不明だが、『バジリスク』のようなものは経験せずに『NARUTO』のような忍者がそのままモデルとなっている。
ポケットに入っているチャクラや手裏剣を使い、多種多様の忍術によってロボット相手でも十分に戦闘することが可能である。
戦闘時は「炎の舞」や「火砕流」などの火遁の術を得意としているらしく、また得意としている分身の術で終盤のアクトウの攻撃から身を守っている。(この時ヤスケは本気で死亡したかと思っていて泣いていた)
とはいえ『Cosmo Samurai 2』では圧倒的な数に苦戦を強いられることもあるため、得意不得意がある程度あるのかもしれない。
名前は『NARUTO&BORUTO 忍里(SHINOBI-ZATO)』と呼ばれるニジゲンノモリというテーマパークのある場所が淡路にあることからつけられた可能性がある。 そうなると甲賀や伊賀の設定が存在しないのも微妙に納得はできる。
また間違いなく『NARUTO』のninjaなので、海外でよく知られているナルト走りも披露されている。 火遁の術が多いのは、ひょっとしたら『炎炎ノ消防隊』も関係してそうではある。
- ヤスケ(CV:菊池通武 『ブラッククローバー』のガデロア・ゴドロック、『魔王様、リトライ!』のナンデン・マンネン、『魔界戦記ディスガイア6』のシュセンドル)
勇敢で屈強の肌が少し焼けた武士。 自身が持つ槍をぶん回したアグレッシブな戦闘スタイルだけでなく、肩がけのマシンガンを使って敵を殲滅するなど、戦闘能力がめちゃくちゃ高い男。
どうも不器用なのか自己紹介の時にトムはやや引いていたぐらいである。 しかしとても情の熱い人間なのか、アワジがアクトウの攻撃を食らって絶命したと思われた瞬間にメンバーの中で一番号泣していた。
終盤戦ではトムの銃撃によって怯んだ敵をやり投げの一撃で仕留めるというシーンがあるなど、とにかく戦闘に長けている。 なおマシンガンは当初から持ち合わせているため、一体ヤスケたちが何時代の人間なのかがまるで分からなくなっている。
名前は「戦国時代の日本に渡来した黒人で、織田信長から名と与えられた武士」である弥助がモデルとなっている。 おそらく肌の色合いもそこから来るものではないかと思われる。
ただマシンガンを持つあたりは近年のアニメに影響されている箇所があるのかもしれない。(『ソードアート・オンラインII』の『ファントム・バレット』も放送していたので、おそらくそのあたりもネタになっているのかもしれない)
- ハカセ(CV:後藤光祐 『NARUTO -ナルト- 疾風伝』及び『BORUTO-ボルト-』のアオダ、『ヒーリングっど♥プリキュア』のメガビョーゲン、『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』の十河サイジョウ)
特殊な装置によって人間の言葉を発することができる、宇宙で三番目の天才である猫。 おそらくスペースシップ・コスモの設計やコンピュータの操作などを担当する、チームにおける頭脳でもある。
トムを修理して深層プログラムから見つけたボディデータを元に戦闘ロボットを開発したり、アクトウの母船のマザーコンピューターにアクセスして操作するなど、メカニックスキルに長けている模様。
終盤の戦闘ではクラッキングに時間を要したものの、見事に装置の操作を乗っ取り形勢逆転を果たしている。 その時に『メタルギアソリッド』に近い「待たせたね、みんな」と言うシーンがあるが、スネークから来るものかどうかは定かではない。
また、外部からのコントロールによるものからアクトウの真のボスが居るというのを見抜いていた。
元々はツルヒメが持っていたネコに、サラが探していた物理学者が自分の記憶をそのネコに移していたらしく、それをきっかけにコスモサムライとしてともに戦っていることが明かされている。
しかし命や記憶に対してややドライなところがあり、特に記憶のバックアップは「単なる電気信号でしかない」と言い放っていたぐらいである。
その名前の通り博士ではあるのだが、『日常』のはかせで良いのか『サルゲッチュ』のハカセなのかはよくわからない。 一応日本のカートゥーンネットワークでは『日常』が放送されていることは明記しておく。
また宇宙猫の設定はおそらく『カウボーイビバップ』ではないかと思われるが、メカニックスキルの高い猫は『トムとジェリー』や『オギーアンドコックローチ』を彷彿とさせる。 別にニャンキャットとかは歌わない。
アクトウ[編集]
宇宙盗賊であり宇宙連邦軍から重要指名手配犯として指定されている、宇宙で残虐行為を繰り返している犯罪集団。 アクトウ側には名前らしい名前が無く、『ディスガイア』ばりに中ボス(Mid Boss)とボス(Boss)としか書かれていなかったので一応その表記としておく。
- 中ボス(CV:田島章寛 『トミカ絆合体 アースグランナー』のガオグランナーサーベルをメインに担当しているが、『進撃の巨人』や『甲鉄城のカバネリ』などにも出演している)
アクトウの母艦に乗り、ボスの命令に従って行動している巨大なトカゲのような生命体。 尻尾は自ら引きちぎることが可能で、ちぎった尻尾を使って攻撃することも可能となっている。
母艦の機能を最大限に利用しており、ハカセにクラッキングされるまではバリアによってツルヒメやアワジの攻撃から身を守っていた。 だが、バリアを無力化された後は、ツルヒメの華麗な斬撃によって見事に討伐されている。
ボスからしてみれば単なる将棋の駒でしかなく、まさにトカゲの尻尾切りとなるものでしかなかった。 また、どうやってサラをさらったのかは不明ではあるが、サラを閉じ込めた箱となるものも持っていた。
- ボス / ジャアク(CV:Jiro Sano 唯一分からなかった)
アクトウの真のボスであり、中ボスのトカゲを駒として扱っていた張本人。 中ボスにあった謎の装置でアワジに奇襲をしかけたボスとなる人物。(この時PS4なのかXboxなのかよくわからないゲーム用のコントローラーで操作していた)
今回の事件を「つまらんドタバタ」と評しており、コスモサムライのことを虫けらと呼んだり、トムのことを小さきロボットと蔑むなど、とにかく高圧的。 ペットのなめくじでさえ駒なのか、目の前で潰して脅していた。
『Cosmo Samurai』ではボスとだけ表記されていたが、『Cosmo Samurai 2』からジャアクという名前であることが判明。 強大な力でコスモサムライからの襲撃を返り討ちにしており、トムの体を乗っ取ってタイムトラベルしてエド大将軍を殺害しようと企てる。
最終的に光を超えたトムの槍攻撃によって討たれている。
エド[編集]
日本とは別の惑星と思われる日本によく似た国の1つ。 『Cosmo Samurai 2』で初めて登場した場所である。
- エド大将軍
ツルヒメの父親。 『Cosmo Samurai 2』で洗脳されたトムに討たれてしまっているが、新たに復活したトムに救われている。
ゼノンアルファ・ゼノンベータ[編集]
『Cosmo Samurai 2』でトムを洗脳したジャアクが降り立った二連惑星。 お互いはお互いで対となる天体であり、アルファに時空の穴が出来るとベータも時空の穴が出来るようになっている。
トムとジャアクの闘い後、天体のバランスが崩れてお互いに衝突してしまっているが、その後消滅したのかどうかは分かっていない。
トリビア[編集]
- かつて『TOONAMI』のエイプリルフールネタでは、トムとサラが日本語で話したり、そもそもの文字表示が日本語になるといった企画も行っていた。
- 作品そのものはYoutubeでも見れる状況で、1話のサイズも『PUIPUIモルカー』ばりに短いどころか全て合わせてようやく0.5話分ぐらいなので、実は見やすいアニメ作品なのかもしれない。
- キャラクターの造形には間違いなく日本のアニメネタが含まれているが、スペースシップ・コスモを除いては「よくあるジャポンデザイン」はあまり使われていない傾向にある。(ツルヒメちゃんもジャポンデザインというよりかは、どこかに居そうなデザインでもある)
- 声優以外のエリアで出てくる作品のほとんどは『TOONAMI』でも放送実績のある作品であり、これ以外にも『アカメが斬る!』(TOMの頭だけのシーン?)や『ワンピース』(海賊)など、色々と無視しきれない作品が非常に多い。
- スペースシップ・コスモにある『宇宙侍』からコスモサムライに正式な表記があるため、ツルヒメやアクトウなどにもおそらく正式な表記が存在しているはず。
- ひょっとしたらTOMは「Travel Operation Machine」みたいな設定もあるかもしれない。(そもそも初期の『TOONAMI』の頃からTOMとSARAは何の目的で宇宙に居るのかの設定があんまり無いのもあるが)
- ボスの声優であるJiro Sano氏についてはよくわかっていない。
- 日本のカートゥーンネットワークでも初期の『TOONAMI』でその映像が放送されていたものの、放送枠そのものが無くなってしまったため知っている人は少ない。(SARAに至っては名前を知らない人すら居るはず)
- また日本の『TOONAMI』も『ラストエグザイル』や『魔探偵ロキ』、『スレイヤーズ』などの作品も放送されていたが、後期は海外のスーパーヒーローもの(『ジャスティス・リーグ』や『スパイダーマン』など)が放送されていた。
- ましてや日本のカートゥーンネットワークは「海外アニメ」を中心にしていた関係で、『TOONAMI』などの日本製アニメを冷遇する方針だった。(『トムとジェリーキッズ』のCMでは「天気予報のパロディ映像に"TOONAMIの放送に注意"と書かれたテロップ」があるほど)