黒白ストーリー

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黒白ストーリー』(こくびゃくストーリー)は夢野久作の小説作品。1925年に雑誌『黒白』5~9月号へ発表された。発表当時の名義は「杉山 萠圓」(すぎやま ほうえん)。

概要[編集]

『材木の間から』『光明か暗黒か』『なまけものの恋』の3篇からなるオムニバスである。いずれも「小説」と「散文・叙事詩」の中間を行くような文体であり、細かい章が幾つも連結してストーリーを構成している。作品設定はそれぞれに違うが、いずれも共通している展開・構成として、「正義と背徳」「善き行動と悪しき行動」「成功と零落」が隣り合わせになって作品が展開していき、いつドッチに転んでもおかしくないような状況で、登場人物たちがめいめいの思いのもと錯綜する点が挙げられる。タイトルの「黒白ストーリー」は、発表誌名に掛け合せるとともに、斯様な展開を象徴して名付けられたものであろうと、推測される。

なお、発表名義の「杉山 萠圓」は、久作の謡曲教授としての名義である。また、発表誌の『黒白』は、久作の父・杉山茂丸が発刊した雑誌である。

外部リンク[編集]

  • 青空文庫 - 本文を無料で読むことが出来る。