香港での専上教育における日本文化のプログラム
香港の専上教育(ほんこんのせんじょうきょういく)では日本文化のプログラムが解説されている。香港の複数の大学で開講されている日本研究関連の科目があり、それぞれのシラバスが違っている。ポピュラーカルチャー、中日関係関連の科目が多く、概論科目においては歴史やポピュラーカルチャーが多く取り上げられているものの、現代日本社会の主な論点が広く取り上げられているだけではなく、授業においては「批判的思考」が重視され、知識を詰め込むよりも学生自身が問題を発見して探求していく形の学びが強く要求されていることなどが明らかになった。こうした傾向は、香港における日本文化教育が言語教育に付随する科目として設置されているというよりも、言語能力をベースとして行う地域研究の科目として設置されていることに原因である。
概要[編集]
香港の専上教育(post-secondary education)は3つに分かれる。一つ目は法定大学・学院であり、大学教育資助委員会の補助を受けているとか、公的資金の補助を受けているとか、財政が自給の可能性もある。二つ目は職業訓練局の院校であり、三つ目は認可専上学院というプライベート大学である。
Name of university
(Chinese name in parentheses) |
Year established |
---|---|
香港大学 | 1887; as Hong Kong College of Medicine for Chinese / Hong Kong College of Medicine 1907 |
香港中文大学 | Formed by merger of 3 existing institutions of higher education (Chung Chi College, New Asia College, and United College) in 1963 |
香港科技大学 | 1991 |
香港城市大学 | 1984 |
香港理工大学 | 1937; as The Hong Kong Polytechnic in 1972 |
香港浸会大学 | 1956 |
嶺南大学 | 1888 in Canton, 1967 in Hong Kong |
香港教育大学 | Formed by merger of 5 existing institutions of teacher training in 1994 |
明愛白英奇専業学校 | 1971 |
香港城市大学専上学院 | 2004 |
香港芸術学院 | 2000 |
香港浸会大学国際学院 | 2000 |
香港浸会大学持続教育学院 | 1975 |
香港専業進修学校 | 1957 |
香港科技専上書院 | 1997 |
香港大学専業進修学院保良局何鴻燊社区書院 | 2006 |
嶺南大学社区学院 | 2003 |
嶺南大学持続進修学院 | 2001 |
香港中文大学専業進修学院 | 1965 |
香港理工大学香港専上学院 | 2001 |
HKU SPACE Community College | 2000 |
耀中社区書院 | 2008 |
香港公開大学李嘉誠専業進修学院 | 1992 |
青年会専業書院 | 1995 |
培正専業書院 | 2000 |
Sara Beattie College | 1974 |
日本文化のプログラムの定義[編集]
「文化あるいは文明とは、そのひろい民族誌学上の意味で理解されているところでは、社会の成 員としての人間(man)によって獲得された知識、信条、芸術、法、道徳、慣習や、他のいろいろな能力や習性(habits)を含む複雑な総体である。」(文化の「定義」(E・タイラー)E.B.Tylor(1832-1917))[1]。言語が文明の軌跡とよく言われる。言語はただ意味を伝えることだけではなく、言葉の表現で、文化と伝統を表している。国々の価値観と人々の考えかたが言語に含まれ、文化研究の始めるのは言語だと考えられる。「文化的な要素を日本語教育に取り入れる必要性は言語教育の流れの中で捉えること ができる。言葉を学ぶことは文化を学ぶことだと古くから言われているように、言葉 と文化は切っても切り離せない関係にある。例えば、敬語を勉強する時に、日本の社会が縦社会であることを説明しておかない と、学習者がなぜこのような面倒な言い方をしなければならないのか根本的に理解で きないし、使おうともしない。敬語以外にも次のような関係付けで、文法知識と同時 に文化的な要素を導入し、文法の理解を深めることも期待できるであろう。ただし、 一回説明しただけで、学習者が日本語を運用する時にいつも気を付けることができる と限らないので、初級段階から何回にも分けて同じ文化的な要素を繰り返し説明した ほうが効果的ではないかと考えられる。」[2]。そのため、香港での専上教育における日本文化のプログラムは最初から必ず日本語の能力を目指すことになる。学生は日本語がある程度にならなければ、文化の研究が進まなくなるという考えがある。
歴史と背景[編集]
香港の専上教育には日本文化研究の専攻が80年代に普及しはじめた[3]。1970年代以降日本文化の側面で香港文化が深く影響されている。食文化、服装などポップカルチャーまで日本文化を追いかけていた。80年代の後半始めると、日本文化と香港文化の中心となったため、日本語の勉強がますます流行してきた。しかし、香港のみならず、世界中には日本の文化が深く影響されていることがわかった。特に、日本のポップカルチャーに連れている価値観が国々の文化にインパクトさせることと考えられる。世界中の高等教育の主要機関が徐々に日本の研究を中心にカリキュラムに開設されていく。香港の最も有名な大学の香港大学と香港中文大学が80年代からそれぞれに日本文化への研究の学士プログラム開設された。それから他にの大学も日本文化への向かっている様々な学士プログラムと専門プログラム(日本の専門学校と同じぐらい程度)を開設した。2000年以降、香港政府の教育政策の改革により、幾つかのコミュニティカレッジが設立され、日本文化や日本語などの専攻プログラムが徐々に増加してきた。
大学での学位プログラム[編集]
HKU SPACE Community College[編集]
Associate of Arts in Languages and Humanities - Japanese Studies[4]
しっかりとしている日本語と日本文化の基礎を築き、クリエティブなしてんで日本の文化産物と社会問題を分析するのがプログラムの目標である。一年目が終わったら、マイナーの必修科目を取ることができる。
香港城市大学専上学院[編集]
Associate of Arts in Bilingual Communication Studies(Japanese and Chinese)[5]
話す、書くことで個人、社会、文化や職場で一定のレベルを達している日本語でコミュニケーションをとり、語学、社会や文化、学生が選んだ分野について理解し、これからの進学、就職や個人で応用することや問題点を見つけ出し、資料を収集し、指導されながら個人として、チームとして責任を持って基礎的な研究を行うことができるようになるのはプログラムの目標である。
香港理工大学香港専上学院[編集]
Associate in Language and Culture[6]
このプログラムでは中国、日本や東南アジアに関する歴史、文化、社会や経済について学ぶことができ、日本語能力やアジアや欧米文化についての知識を得ることができる。教育、ビジネス、政府関係または中国大陸や南アジア圏でのアート分野に目指している人向きのプログラムである。
香港公開大学[編集]
Higher Diploma in Japanese Studies[7]
学生に日本研究の知識を身につくことで、上級な日本語を職場や社会で使用することができるようになり、日本文化についても深く理解することができる。このプログラムを卒業したら、進学や個人企業や公共機関の幅広い分野の仕事にもつけることができる。
大学での学士プログラム[編集]
香港大学[編集]
Japan Studies Programme[8]
日本の文学、言語学、芸術史、歴史、人類学、社会学、地理、政治、国際関係、経済学、新聞学やポップカルチャーを中心として、学生に日本の言語、文化、歴史、社会、経済、政治と民族について勉強させるためのカリキュラムである。卒業生が個人企業や公共機関など日本を理解することが必要な分野での成功まで導く。
Japanese Language Programme[9]
学生に日本語の話す、書く、聞く、書く力を基礎から上級まで、バランスよく身につくことがプログラムの目的である。語学を習得することを心がけ、コースワークで学生の日本語能力を磨くことやビジネス用の言葉、翻訳や応用する能力を勉強させることも一つの目標である。一方、語学と繋がりがある日本の文化、民族や社会を学べるコースもある。
香港中文大学[編集]
Bachelor Degree in Arts – Japanese Studies[10]
日本語能力に合わせて、学生はそれぞれの日本語レベルに適している日本語課程で日本語の勉強以外にも、日本文化や社会についての学習や、研究方法を勉強する。三年目になると日本で交換留学し、四年目は大学に戻り、先生の指導で卒業プロジェクトをやるだけではなく、選択科目を修了しなければならない。
香港理工大学[編集]
Japanese Language Studies[11]
香港理工大学は日本語課程を副専門として提供している。個人的、または専門的に役に立つ日本語コミュニケーション能力や日本や日本人についての知識を習得することができる。日本語スピーチコンテスト、ポップカルチャーや伝統文化をテーマにしているイベントなども開催している。さらに日本について深く理解したい学生には交換留学することも可能である。
香港城市大学[編集]
Bachelor of Business Administration (Honours) in International Business (Japan Studies) [12]
学生に日本の国際ビジネス管理についての仕事をする準備や能力を備えることや、英語だけではなく日本語能力を上げることや、日本の文化、社会、経済や政治について深く理解することがこのプログラムに入っている日本文化、日本語と関している目標である。
大学での修士と博士プログラム[編集]
香港中文大学[編集]
香港中文大学は2つの修士プログラムと1つの博士プログラムだけではなく修士と博士プログラムに連結するために開設されたプログラムも提供している。
Master of Arts in Japanese Studies[13]
日本語能力、日本語研究の経験や関連する言語の習得の有無を問わず、現代日本について、社会、文化及び言語の観点から紹介する。仕事や旅行、あるいは個人的に日本に関わっている、または概念的、次戦的なツールを身につけて日本文化や日本語をより理解したい人を対象にしている。日本語能力を向上させるため、一部のコースは日本語で行なわれている。
Master of Philosophy in Japanese Studies[13]
日本研究の分野にある問題点に対応する大学院レベルの日本研究教育を提供し、日本研究を促進することを目的としている。学生が多様な概念的、方法論的アプローチを自分の演習、日本についての研究に統合することを可能にしている。このプログラムは学生に理論的知識、調査法を習得させ、人類学、映画研究、ジェンダー研究、歴史、国際関係、言語学、政治、中日関係などの個別の分野において、知性の発展や学問の展開を促している。
Ph.D. in Japanese Studies[13]
高度な日本研究をさらに促進するために開設されたプログラムである。地域的な、グローバルな視点における現代日本の社会、文化、言語の観点だけではなく、日中関係や日港関係の歴史的、社会文化的な観点に焦点を当てる。
Articulated M.Phil - Ph.D. Programme in Japanese Studies[14]
教育や学術的なレベルを上げることを重視し、学生が学習方法や方法論を統合することによって、日本研究分野で一歩進ませる。それと同時に、必要な理論知識や研究方法を学ばせ、思考回路を開拓し、日本、中日、港日文化研究の学術的な評論能力を強化させる。
香港理工大学[編集]
Master of Arts in Japanese Media and Communication (MAJMC)[15]
香港理工大学が提供している修士プログラムは文化、メディアやコミュニケーションを焦点にし、最も適切かつ重要な内容を学習する。それによって、学生は学力だけではなく高いレベルの言語能力を持つことによって、理論から現実社会の学術的、専門的な制度を自由に観察することができる。このプログラムを修了した学生は学習内容や訓練によって活躍できるようになる。
香港大学[編集]
MPhil and a PhD in Japanese Studies[16]
香港大学の日本研究学部は2つのプログラム、修士と博士プログラムを提供している。日本語、社会や文化分野によって適切な先生に指導してもらえる。修士プログラムには現代言語や文化部門や大学院部門が提供している必修科目がある。
プログラム | 専上教育の学校 | プログラムの種類 |
Associate of Arts in Languages and Humanities - Japanese Studies | HKU SPACE Community College | 副学士 |
Associate of Arts in Bilingual Communication Studies(Japanese and Chinese) | 香港城市大学専上学院 | 副学士 |
Associate in Language and Culture | 香港理工大学香港専上学院 | 副学士 |
Higher Diploma in Japanese Studies | 香港公開大学 | 高級文憑 |
Bachelor Degree in Japan Studies | 香港大学 | 学士 |
Bachelor Degree in Japanese Language | 香港大学 | 学士 |
Bachelor Degree in Arts – Japanese Studies | 香港中文大学 | 学士 |
Bachelor Degree in Japanese and Korean Language Studies | 香港理工大学 | 学士 |
Bachelor Degree in International Business – Japanese Studies | 香港城市大学 | 学士 |
Master of Arts in Japanese Studies | 香港中文大学 | Master Degree |
Articulated M.Phil - Ph.D. Programme in Japanese Studies | 香港中文大学 | N/A |
Master of Arts in Japanese Media and Communication | 香港理工大学 | Master Degree |
MPhil and a PhD in Japanese Studies | 香港大学 | PhD |
向けている仕事と前景[編集]
日本研究を卒業した学生が主に全員日本語に関する仕事に就く。卒業生が勉強していた日本語の能力と日本文化の知識によって、日本の企業とのコミュニケーションが独特な優勢が取られ、日系企業にとっては役に立つことが見られる。特に、サービス業界など旅行業界、出版社、及ぶ海外へ向かっている商社が評価されている。一方、数々の卒業生が日本へ移動することにした。日本の文化の専門家として、日本と世界の架け橋になる。
脚注[編集]
- ↑ [1]
- ↑ 郭穎俠「日本語授業における文化的要素の取り入れ」『日本学刊』第16号、2013年、114-125ページ。
- ↑ マギー梁安玉「日本研究の多様性 香港における日本研究」『日本語教育と日本研究の連携――内容重視型外国語教育に向けて』トムソン木下千尋・牧野成一編、ココ出版〈日本語教育学研究 2〉、2010年、37-50ページ。ISBN 978-4-904595-09-1。
- ↑ [2]
- ↑ [3]
- ↑ [4]
- ↑ [5]
- ↑ [6]
- ↑ [7]
- ↑ [8]
- ↑ [9]
- ↑ [10]
- ↑ a b c http://www.jas.cuhk.edu.hk/images/content/admission/Orientation_for_MA_Programme_2017-18.pdf http://www.jas.cuhk.edu.hk/images/content/about_us/JAS_Brochure_Update7_Sept_2015.pdf
- ↑ [11]
- ↑ [12]
- ↑ [13]