飯塚市建設会社銃撃事件
飯塚市建設会社銃撃事件(いいづかしけんせつがいしゃじゅうげきじけん)は、2011年9月に福岡県飯塚市で起きた銃撃事件。
概要[編集]
2011年9月6日未明、福岡県飯塚市太郎丸の建設会社事務所に散弾銃2発が発射される事件が発生。7日未明にも散弾銃2発が発射され、車庫のシャッターや壁を破壊。中の車両も損壊した。事件当日には、飯塚市の別の建設会社事務所に火炎瓶が投げ込まれる事件も発生している。
2013年1月23日、暴力団太州会(本部福岡県田川市)の元幹部で覚せい剤取締法違反で服役中のHを逮捕[1]。他にYS、YR、STら4人が逮捕された。福岡県では2011~12年にかけて発砲事件が22件発生しており、逮捕されたのは今回で4件目。
その後、元幹部Hと幹部の二人は不起訴処分となった[2]。指定暴力団太州会系組長YS、組幹部YR、元組幹部STら3被告は、建造物損壊罪と銃刀法違反で起訴された。
裁判経過[編集]
ST[編集]
公判でSは実行役だったと認めたものの、指示役の名前は出さなかった。弁護側は執行猶予を求める。
2013年9月11日、福岡地裁(松藤和博裁判長)は、建造物損壊罪と銃刀法違反で懲役3年6月(求刑懲役5年)の有罪判決を言い渡した[3]。そのため、共謀について争点となっていたが、判決でYRとの共謀は認めたが、YSを含めた3被告が共謀にしたかどうかについては合理的な疑いが残るとした。
その後、STは上告している。
YS、YR[編集]
公判で、両被告とも無罪を主張。検察は、「犯行に使われた車のタイヤ代が組の経費から支出されていることやSTの証言から太州会の関わりがあることなどから、組長のYSがYRを通じて実行役のSTに指示を出した」と主張。弁護側は、犯行を共謀した具体的な証拠はなく、無罪を主張した。
2014年3月5日、福岡地裁(松藤和博裁判長)は、YSに無罪(求刑懲役7年)、YRに懲役4年6カ月(求刑懲役6年)を言い渡した[4]。YRについて、判決では、STの「自分より年下で立場は上の人の指示」という証言などから、YRが当てはまると認定して共謀が成立。「銃や車を用意した役割の大きさや深夜の住宅での危険な犯行」とした。一方、YSについては「被告が指示した疑いは濃厚だが、具体的な証拠がなく、合理的な疑いが残る」とした。