航空事故調査官

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航空事故調査官(こうくうじこちょうさかん、英語:Air Accidents Investigatorなど)は、航空事故の調査を行う職業、人物。ほとんどは国家の航空事故調査機関 ()に所属しており、単独で事故調査を行うことはほとんどない。[1]ほとんどがパイロットとして長期間飛行した経験があったり、技術者として航空機の構造や運航を知り尽くした立場から調査に当たる。[2]

航空事故調査機関によっては、役割によって調査分野を細分化していることもある。構造上の問題を専門的に調査したり、金属の破断を冶金学 ()的に調査したりすることもある。[3]調査を指揮する航空事故調査官は、主任事故調査官とか首席事故調査官とか呼ばれる。

なお、航空事故調査は、「責任追及のためではなく、再発防止のためだけに行われる」と国際民間航空条約などで規定されており、調査の途上で得られた証拠などは、裁判などの責任追及の場で用いてはならないとされている。

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  1. 国際的に、航空事故調査は、関係国の航空事故調査機関が行うと取り決められているため。関係国とは、発生した国、航空機の運航会社が本拠地とする国、航空機の登録が行われている国、航空機が製造された国など。
  2. 日本の運輸安全委員会は、職員(航空事故調査官)の募集についてで、応募資格について「(1)定期運用操縦士または事業用操縦士として6,000時間以上の飛行時間がある(2)上級操縦士の資格を10年以上持っている(3)海上保安庁の飛行士として10年以上かつ飛行時間2,000時間以上」のいずれかを要求している。国政モニター「航空事故調査官の募集について」でも、操縦はもちろん運航のあらゆる側面に経験を持つベテランパイロットの採用を行うと説明されている。
  3. 破断面から、金属疲労 ()のものなのか、衝撃による瞬間的な破断かが分かるらしい