阪急7000系電車
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阪急7000系電車は、1980年に登場した阪急電鉄の鉄道車両のこと。
概要[編集]
神宝線系統初の界磁チョッパ制御車、かつ6000系の後継形式として投入された。
車体[編集]
18m級の3ドア車体を採用。初期車・中期車は普通鋼製だが、後期車はアルミ合金が採用された。
台車は当時の標準品といえるFS369AおよびFS069Aを履く。原則FS369Aは電動車、FS069Aは付随車のものであるが、例外は非常に多い。
内装[編集]
黄色系の内装を採用。車内はロングシートで、座席モケットはオリーブ色となる。
機器類[編集]
150kW級の複巻電動機に界磁チョッパ制御の組み合わせとなった。WNドライブで駆動し、ブレーキ方式は電気指令式ブレーキとされた。
増備[編集]
1988年までに36編成210両が製造された。うち7028Fと7029Fは欠番となっている。7010F以前と7020・30Fは鋼製車だが、それ以降と7001・03・06Fの中間車の7551・81・53・83・56・86はアルミ車である。
当初は7000・02・04・05・07 - 15・18・19・21Fが8両編成(ただし7021Fは6000系の中間車を2両組成)、7001・03・06・16・17・20・22・23・27Fが6両編成、7024Fが4両編成、25・26Fが全電動車の2両編成、30番台が1M1Tの2両編成となっていたが、増備途上で7001・03・06Fの各編成は8両化された。
改造[編集]
6050・6150の編入改造[編集]
当初2200系の2250・2251として登場した6050・6150は編成そのものの4連化の際、6000系の伊丹線転用を見越したのか7090と7190に改番され本系列に編入された。
7012Fの台車事情[編集]
1編成丸ごとボルスタレス台車の試験車として登場した本編成だったが、5200系の発生品を転用して2008年にFS369AやFS069Aに交換されている。
京とれいん雅洛[編集]
2018年に6連化された7006Fが新型京とれいんに改造され、雅洛を名乗った。7006Fは鋼製車だが、むしろ鋼製車の改造のしやすさから抜擢されたとされている。制御方式は変更されていない。
更新工事[編集]
1998年から更新工事が始まったが、長期にわたっているためバリエーションが豊富である。譲渡車を除くと、2024年現在は7023・24・31Fと2両編成を除く全編成に対して完了している。
第一世代[編集]
1998年から2000年にかけて更新された7001・03・06Fが該当。内装にほとんど変化はないが、車椅子スペースに加え、7001Fを除きドアチャイムが、7006FにはLED式の車内案内表示器が設置された。
大規模工事[編集]
2002年と2003年に更新された7000・02・04Fが該当。化粧板が一新された他、空気圧縮機の交換等、機器類にまで手が加えられている。7004Fでは通過標識灯が白色化され、以降の編成にも波及することになった。
9000系と共通化[編集]
2009年以降の7007Fと7008Fからはリニューアル工事と題され、もはや原型を留めないものとなった。いずれも前面は9000系と同一化され、行先表示器のフルカラーLED化やパワーウィンドウの設置がなされ、車内にもLCDが設置された。この部類よりチョッパ装置のIGBT化も施工されている。
7009F[編集]
2011年にリニューアルされたが、パワーウィンドウや前面変更、車内LCDは省略され、UVカットガラスの設置とチョッパ装置のIGBT化以外ほぼ7004Fと変わらない。
7010・20F[編集]
2013年と14年にリニューアル。7009Fの工事に加え、LCD式車内案内表示器が設置され、車内照明もLEDとなった。前面については番号が移設された。
アルミ車[編集]
2016年度以降はアルミ車にも波及し、前面扉の交換やVVVF化も同時施工された。リニューアル直前が6両編成であったものについては、リニューアルと同時に鋼製車や旧6050Fに組成されたアルミ製の付随車を供出し8両化されている。7021Fについては後述のように鋼製車の6671と6681をアルミ車に差し替えられた。
7090F[編集]
2023年に伊丹線向けワンマン化改造を行う際にリニューアルされたが、行先表示器はフルカラーLED化され、側面に至っては種別表示器が埋め込みとなり、LCDの設置もなされた。前面形状は7009Fとほぼ同等になっている。
編成組み替え[編集]
阪神・淡路大震災との兼ね合い[編集]
2200系の2721が震災で失われ、2720も電装解除となった関係で制御車の2250・2251が余剰となったが、この際に当時8連だった7005Fが6連化、6連だった7016Fがいずれも2連化される。7555と7585は7020Fの8連化、7666と7676は7022Fの8連化に充てられ、2250と2251の中間には7016Fの7516と7616が組成され、2250・2251も6050・6150に改番された。
後に6050Fは7005Fの2連化により中間車を全て組み込み8連化している。
付随車組み替えによる組成変更[編集]
付随車の組み替えによる2連化、4連化、6連化、8連化は度々行われている。以下の編成が付随車調整による組成変更の餌食となった。なお、6連は嵐山線臨時列車に対応していた過去がある他、代走で今津北線へ乗り入れることもある。7004Fについては明らかな今津線運用を見越したものであり、5000系5012Fを廃車に追いやった。震災以外で電動車の抜き差しを伴うものや、譲渡前提のものについては後述する。車両組成は2024年現在一部バラバラだが、車両番号のみで当初どの編成に組成されたかが一発で判断できる。
- 8連→6連
- 7001F - 抜き取られた中間車は7021Fのリニューアルに転用、6671と6681を捻出。6671と6681は7025Fと組成し能勢電鉄に譲渡。
- 7003F - 抜き取られた中間車は7017Fのリニューアル・8連化に転用。
- 7004F - 今津北線へ転用。抜き取られた中間車の処遇は未定。
- 7006F - 抜き取られた中間車は7014Fのリニューアル・8連化に転用。
- 7014F - 抜き取られた中間車は7024Fの再度の4連化に転用。
- 6連→8連
- 7014F - 6連化後、リニューアルの際に7006Fの7556・7586を組み込んだ。
- 7017F - リニューアルの際に7003Fの7553・7583を組み込んだ。
- 7027F - 7024Fの7764・7774を組み込み8連化した。
- それ以外
- 7024F - 4連だったが、7764・7774を抜き取った後、7014Fの7654と7684を組み込み再度4連に戻った。
また、7025Fに6670と6680が、7026Fに6750と6751が組成されていた時期がある。後にいずれの中間車も6012Fに転用され、6012Fの4連化の際に6670と6680は7016Fと組成し能勢電鉄に譲渡、6750と6751は廃車解体された。
7031F・7090F[編集]
7031Fは当初2連だったが、10連縮減に伴い余剰となった際、6050Fの7616と7516を組み込み4連化の上で7516を電装解除し後に7596に変更、箕面線に転用した。一方、6050Fの残った6両のうち7565と7575は7026Fと組成し能勢電鉄に飛ばし、それ以外の4両は7090・7190の改番を伴い新たに4両固定編成7090Fを組成した。
譲渡車[編集]
2024年現在、廃車は1両も出ていないが増結運用廃止で余剰となった車両を中心に能勢電鉄への譲渡車が発生し、同社の7200系となった。
今のところ4両固定編成のみで、VVVF化と編成構成の変更(M-T-T-M→M-M-T-T)がなされている。いずれも先頭車はアルミ車体、中間車は鋼製車体。前面扉の交換や前面編成番号の移設は行われていない。走行機器は7000系リニューアル車のものを踏襲。
譲渡編成別概説[編集]
- 7200F
- 7025Fの中間に6000系T車の6671と6681を組み込んだもの。
- 7201F
- 7016Fの中間に6000系T車の6670と6680を組み込んだもの。
- 7202F
- 7026Fの中間にT車の7565と7575を組み込んだもの。
- 7210F?・編成番号不明(改造中)
- 元・7036Fと7037Fだが、7036は7210への改番がほぼ確定と思われる。
- 一部文献では当該2編成が解体されたという情報もあるが、解体の場合は大抵、正雀からの搬出となる一方、この2編成は尼崎工場へ入場したため「解体」と表記するのは誤りである。
運用[編集]
神宝線系統で幅広く運用されるが、3両編成が存在しないため今津南線と甲陽線では一切運用されない。また、増結2両編成は2022年12月の改正までに全車が10両増結運用から外れた[注 1]。
7006Fは桂車庫に所属し、快速特急京とれいんの運用に就く。6354Fの離脱後は1編成体制で運用を担っており、代走は7300系や8300系が担う。
今後[編集]
製造から40年を経過したものも存在するが、より古い5000系を差し置いての編成単位における廃車解体の発生は考えられない。しかし、能勢電鉄1700系は車齢60年を経過しており、いち早い余剰車の捻出が求められるため、近日中に7024Fは、組成変更が行われるかは別として能勢電鉄譲渡となる可能性が高く、7023Fのリニューアルがなされると増結用編成以外から未更新車は全滅するものと思われる。
なお、一部からは7024Fがリニューアルされてそのまま宝塚線に残留するという声も存在するが、両端先頭車のみが電動車であることや、上記1700系の存在、ついでに6000系6024Fや7005Fの処遇等を踏まえると残留は好ましくない。
編成一覧[編集]
☆は未更新。★は能勢電鉄譲渡車。
- 8両編成鋼製車
- 7000F
- 7002F
- 7007F
- 7008F
- 7009F
- 7010F
- 7020F
- 6両編成鋼製車
- 7001F
- 7003F
- 7004F
- 7006F - 京とれいん雅洛
- 8両編成アルミ車
- 7011F
- 7012F
- 7013F
- 7014F
- 7015F
- 7017F
- 7018F
- 7019F
- 7021F
- 7022F
- 7027F
- 6両編成アルミ車
- 7023F☆
- 4両編成
- 7016F★→7201F
- 7024F☆
- 7025F★→7200F
- 7026F★→7202F
- 7031F☆
- 7090F - 鋼製車
- 2両編成
- ※特記事項がない限り1M1Tのアルミ車。
- 7005F☆ - 2M0Tの鋼製車
- 7030F☆ - 鋼製車
- 7032F☆
- 7033F☆
- 7034F☆
- 7035F☆
- 7036F★→7210F?
- 7037F★→?
- 休車中
- 7554・7584
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 7030Fは今津北線で7090Fとペアを組むため、完全に増結運用から離脱したわけではない。