現金燃焼率
現金燃焼率(げんきんねんしょうりつ、英語: cash burn rate)、資本燃焼率(しほんねんしょうりつ)、資金燃焼率(しきんねんしょうりつ)、または単に燃焼率(ねんしょうりつ、英語: burn rate)、あるいは英名をカナ転写させた、キャッシュバーンレート、バーンレートとは、単位時間あたりに消費する現金を示す指標であり、ベンチャー企業でよく用いられる[1][2]。多くの場合は、月毎の金額を示す[3]。手元の資金をこれで除することによって、資金投入0の状況下において、何か月間で資金が底をつくのかがわかる[4]。
2種類の現金燃焼率[編集]
より正確には、以下に挙げる2種類の現金燃焼率がある。通常は net burn rate が用いられ、単に現金燃焼率といえばこちらを指す[3]。ただし、収入に大きな変動が生じる恐れのある業種や環境であるときは、gross burn rate も有効となる[5]。
- net burn rate
- 実質バーンレートとも訳され、単位時間当たりの合計出費から同合計収入を差し引いたもので計算する[3]。
- gross burn rate
- 総バーンレートとも訳され、単位時間当たりの合計出費だけで計算する[3]。
実質バーンレートが0のとき、収入と出費が均衡し、プラスだと資金が目減りし、マイナスだと内部留保が貯まっていくことになる[3]。ベンチャー企業の場合は、収入がほとんどないことも少なくなく[4]、そうした期間においては両者の値に大きな差は生じない[3]。
計算例[編集]
例えば、1年間の収入が9000万円、同じ期間の出費が12000万円(=1億2000万円)のとき、総実質バーンレートと総バーンレートは以下のように計算される。
- 実質バーンレート=(12000万円-9000万円)/12か月=250万円/月
- 総バーンレート=12000万円/12か月=1000万円/月
同じ企業が、3000万円の資金を確保していた場合、実質バーンレートを使って、
- 余命=3000万円/(250万円/月)=12か月
と計算できるため、12か月以内に資金が注入されなければ倒産してしまうことがわかる。
使用シーン[編集]
現金燃焼率は、安定した収入があり、かつその収入が支出を上回る場合には不要な指標である[4]。したがって、収入が不安定な場合や調達に頼らざるを得ないベンチャー企業に多く用いられる。
出典[編集]
- ↑ 中村あきら (2010年10月10日). “Burn Rate(バーンレート)とは”. 2017年7月23日確認。
- ↑ “http://www.nsspirit-cashf.com/yougo/yougo_burn_rate.html”. N's spirit. 2017年7月23日確認。
- ↑ a b c d e f Taka Umada (2016年6月5日). “スタートアップのお金と指標入門講座:バーンレート (Burn Rate)”. Medium. 2017年7月23日確認。
- ↑ a b c 岩井徹朗. “バーンレートで資金管理”. 2017年7月23日確認。
- ↑ 竹内猛 (32015-08-31). “【WSJで学ぶ経済英語】第194回 現金燃焼率”. 2017年7月23日確認。