猫町

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猫町(ねこまち)とは、詩人・萩原朔太郎の唯一の短編小説。昭和10年(1935年)の作。

冒頭には「散文詩風な小説(ルビ:ロマン)」と銘打たれている。

あらすじ[編集]

“磁石の方角を直覚する感官機能に、何かの著しい欠陥をもった”詩人が散歩をする話。ある日、秋の山道を散歩していると迷子になってしまい、見たこともない町へと出た。その町は今までに体験した事がないような、不思議な均衡と緊張感に包まれており、主人公はここが口碑に伝え聞く「猫町」ではなかろうか、と思う。然しその次一瞬間に、この町は普段よく見慣れたU町であることに気がつく。方向音痴の主人公はU町とは反対の方角に出た、と思い込んでいたが、その実U町に戻ってきていたのである。そして、普段この町を見る方角とは逆の方から覗いた為に、まったく別の町かのように錯覚してしまったのである。事実としては錯覚に過ぎなかったのだが、この一事は主人公の心の上に深い影響を残した。彼には、まだ日本の何処かに「猫町」が存在しているのではないか、と信ぜられてならない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]