狭小邸宅
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『狭小邸宅』は、新庄耕による小説作品。同氏のデビュー作。
第36回すばる文学賞受賞作品。不動産業に勤める営業マンである主人公を通して、仕事との向き合い方、やりがい、複雑な人間関係を描く。ブラック企業を舞台とした単なる企業戦士小説だと思われがちだが、仕事に対する日本人の姿勢を浮き彫りにする作品である。
作者自身は不動産業未経験ながら、作中で描かれている不動産営業の現場は、非常にリアルであるともっぱらの評判。
書誌情報[編集]
集英社文庫「狭小邸宅」新庄 耕
2013年2月5日発売、ISBN 978-4-08-771494-4
あらすじ[編集]
以下にはネタバレが含まれています。
主人公である松尾は、不動産営業マンとして、東京・城南地域の不動産を得意とするフォージーハウスに入社して1年。そこは朝から罵倒やノルマ未達の叱責、拳に果てはあらゆる書類が宙を飛ぶ、パワハラが常習化した職場だった。松尾は半ば諦めたように日々を過ごしていたが、ある日、駒沢支店への異動を言い渡される。
駒沢支店で松尾の上司となった豊川課長は、怒鳴ることなく、常に冷静であり、淡々とした口調で、今まで出会って来た上司とは一線を画する人物であった。松尾の伸び悩む成績から、辞職を促す課長に「売ります」と言い切ってから2ヶ月、1件の売り上げもない松尾は焦りを募らせるばかりだったが…。