犯罪者同盟

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犯罪者同盟(はんざいしゃどうめい)とは、「あらゆる犯罪は革命的である」をテーゼとした政治結社。

概要[編集]

60年安保闘争後の1961年11月、早大露文科の平岡正明社学同周辺の活動家らと結成した。主なメンバーは平岡正明、宮原安春諸富洋治など。美術家の今泉省彦や後に映像プロデューサーとなる平林猛も関わっていた。今泉によれば、「維新前夜の薩摩藩が江戸市中で火付け強盗を働いて、人心を騒然とさせたように、犯罪を激発させて、革命的情勢を作り出そうというのが狙いだった」という[1]

1963年8月15日に冊子『赤い風船あるいは牝狼の夜』を刊行した。吉岡康弘が撮影した女性器のアップや赤瀬川原平による「千円札を写真撮影した作品」等が掲載された。平林猛によれば、犯罪者同盟は60年安保から70年安保闘争までの「どうしようもない時代」に「とにかく何か楽しいことをやろうじゃないか」と思ってこの冊子を刊行したという[2]。その後、同盟員の一人が高田馬場の書店で『悪徳の栄え』を万引きして戸塚署から取り調べを受けた際、所持品検査でこの『赤い風船』が見つかり、吉岡の作品が問題視された。1963年11月に猥褻図書として摘発され、吉岡は拘留されたが注意のみで不起訴処分となり、冊子は問題の写真を除いての販売が許可されることとなった。また宮原安春宅が猥褻罪で捜査された際、赤瀬川の千円札作品が見つかり、こちらは「千円札裁判」の発端となった。

脚注[編集]

  1. ギャラリー ときの忘れもの : 新連載・森下泰輔のエッセイ「 戦後・現代美術事件簿」 第1回 - livedoor Blog(ブログ)
  2. 元木昌彦編著『知られざる出版「裏面」史 元木昌彦インタヴューズ』出版人、2016年、97-98頁

参考文献[編集]