燃料投棄

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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燃料投棄(ねんりょうとうき)とは、燃料を捨てること。主に航空機が緊急事態に行う。

航空機は、着陸の際にタイヤにかかる負担などを考慮して、最大着陸重量よりも少ない重量で着陸しなければいけないと決まっている。しかし、離陸時は最大着陸重量を超える量の燃料を積んでいることがほとんどなので、離陸直後にトラブルが発生するなど、すぐに着陸しないといけない状況に陥っても、すぐに着陸することはできない(車輪脚が折れて燃料タンクを突き破ったら・・・)。そんな時に、燃料を捨てることで、重量を最大着陸重量に抑え、安全に着陸できるようにする。

燃料投棄は翼の両端や中間に付けられたパイプ(ノズル)から行う。航空実用辞典によると、このパイプから15分以内に燃料を十分投棄する能力が必要とされているらしい。その投棄量は1分間に3,000リットルとか。ご家庭のお風呂で言うと15杯分。投棄された燃料は非常に揮発性が高いため、地上に到達するより前に気化し、液体となって降り注ぐようなことはない。

まれに、地上走行中にカーブを通過すると遠心力でこのパイプから燃料が漏れるとか。ほんまかいな。ご搭乗の機は正常です。

一部の機体では燃料投棄用のパイプなどが備えられていないので、その他の方法で燃料を減らす必要がある。燃料を減らす方法なんて何種類もあるわけなく、もちろんエンジンを回して飛び続け、燃料が減ってくれるのを待つしかない。燃料投棄パイプがあれば15分で終わるものを、何時間もかけて飛び続けるのだから大変だ。それでも安全な着陸のためなら仕方ない。